EQ(イコライザー)とは? 〜パライコ、グライコ、パッシブEQ、アクティブEQの違い〜 [音楽用語 vol.011]
イコライザー(Equalizer)
ねらった周波数帯域を上げたり下げたり調節できるエフェクターです。
「ドラムの低域がもっと欲しい」「ギターの高域を抑えたい」「ボーカルの良い成分をもっと上げたい」という時にイコライザーを使います。
「200Hz以下の音はいらない」(ハイパスフィルター)や「2kHz以上の音はいらない」(ローパスフィルター)という使い方もします。
イコライザーは使用上のタイプ的に、パラメトリック・イコライザー(パライコ)とグラフィック・イコライザー(グライコ)の2つの種類に分けられます。
「パライコの使い方」
パライコは大きく「低域」「中域」「高域」に分けて、少ないつまみでそれぞれの周波数を調整します。
一般的に付いているつまみの役割は以下になります。
Gain(ゲイン)・・・音量大きくする
Freq(フリケンシー)・・・周波数
Q(キュー)・・・ターゲットの幅
<良い点>
周波数の低いところから高いところまで、ブロックに分けて調整できるので、聴きながら感覚で音作りができる。
「グライコの使い方」
周波数の帯域が何バンドにも分けられていて、それぞれにフェーダーが付いているので、ピンポイントで操作、調整できます。
<良い点>
ノイズやピーク、ハウリングなどの帯域をピンポイントでカットできるのでライブ会場などで扱いやすい。
目で見て把握(はあく)しやすいのでわかりやすい。
グライコの方が見やすく操作もわかりやすいので良い気がしますが、楽器の音作りでよく使われるのはパライコです。
パライコはメモリがある程度固定されているものが多いですが、これは音楽的に理にかなったポイントを選んでくれているので音作りがスムーズにできます。
パッシブとアクティブ
中身の構造の違いで「アクティブフィルター」を使用しているものと、「パッシブフィルター」を使用しているものがあります。
アクティブフィルターは音量をトランジスタやICなどでの増幅、減少させます。
そのためアクティブフィルター使用のEQは、ゲインを上げていくと歪みが発生し、倍音が加わりサチュレーション効果が少し発生してしまいます。
パッシブフィルターはコイルの共振などで音量をコントロールします。
パッシブEQといわれるEQの、ナチュラルにゲインを調整できるというのはこの違いにあります。
ナチュラルに調整できるので、マスタリングの最終調整には重宝します。
コイルの部品が高価なため、パッシブEQがお値段高めになるのも納得できます。
どちらのタイプのEQがいいという訳ではないので、それぞれの個性を理解していれば、用途に合った使い方ができて音作りやMIXに活かせると思います。
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