リアンプとは?〜接続方法とメリットとデメリット〜 [vol.066]
リアンプ(Reamp)
アンプ、エフェクターなどを通していない状態で録音したギターやベースを、その録音した音からアンプに通して、アンプから通常のマイク録音をすることをいいます。
DTMでのレコーディングではない時代もリアンプは使われていた手法です。
アンプ録りをすると同時に、元のクリーンな音をライン録りして、曲全体で合わせた時に万が一納得いかなかった時は、ライン録りをした元の音からリアンプして曲全体に合う音作りをしていきます。
実際のアンプを使って録音しますが、アンプシュミレータと同じ原理で音作りができます。
同じ原理ですが、やはり実際のアンプをマイク録りすると、なんとも言えない空気感が得られます。
それもあって、リアンプというのは今でも使われています。
リアンプの方法
リアンプはライン録音したギター(あるいはベース)を、通常に弾いて音を出しているように出力を設定するので、元のギターの出力のようにハイインピーダンスにしなくてはなりません。
ハイインピーダンスしなくてもリアンプできなくはないですが、実際に弾いた状態にできるだけ近くしてリアンプするのがオススメです。
そこでローインピーダンスからハイインピーダンスに変換するリアンプボックスを使用するのが一般的です。
プリアンプの中にはリアンプ専用の出力が付いていて、リアンプボックスとして使えるものもあります。
リアンプボックスを通した後は、通常通りエフェクター、アンプと繋いでセッティングしてから、アンプの音をマイク録音します。
リアンプのメリットとデメリット
とても便利なリアンプですが、デメリットももちろんあります。
思いつく項目を以下に並べてみました。
<メリット>
・音作りのやり直しが何度でも時間をかけてできる
・元のギターからたくさんキャラクターを作って楽曲に重ねられる
・家で納得できるプレイを録音してからアンプ録音ができる
・音作りは直せるという安心した気持ちで録音ができる
<デメリット>
・機材を通すので厳密には若干音が変わる
・リアンプ後の音色に合った弾き方でプレイできていない
・やり直しなので手間と時間はかかる
・選択肢が増える迷い・悩みも増える
メリットとデメリットは背中合わせにあることがわかります。
音作りに「時間が取れる」ということは「時間がかかる」ということ。
後で直せるから「安心できる」代わりに「迷いが増える」ということ。
レコーディング方法は人それぞれで、「リアンプなんかさせない」というエンジニアさんもなかにはいます。
「これだと思った音色で演奏しろ」ということです。
実際その方がレコーディングもスムーズに行き、結果良い演奏になったりします。
しかし、「一応保険でラインの音録っておきます」という方がほとんどです。
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