『Melodyne 5』レビュー 〜No.1ピッチ補正ソフト〜 [vol.008]
普段良く使うソフト・機材を簡潔にレビューしていきたいと思います。
今回はピッチ補正ソフト、Celemony『Melodyne 5』の使ってみた感想を紹介します。
特 徴
・大定番のピッチ補正ソフト
・歌以外の楽器でも大活躍
・ギターなどの和音も一音ずつ認識、調整可能
使ってみた感想
「Melodyne(メロダイン)」は初期の頃から使用していて、僕とともにアップデートしてきたピッチ補正ソフトです。
他にもピッチ補正ソフトを使ってきましたが、完全にメロダイン派です。
アップデートするたびに「音がよくなっている。」という印象を受けながら進化しています。
初期の頃はやはりピッチを修正すると音質が変わってしまうので、Melodyneを使ってピンポイントで一語一語修正して置き換えるという使い方をしていました。
これでも当時は簡単にピッチ修正ができると画期的だったのですが、中でも歯擦音(しさつおん「Sibilant」)に関してはMelodyneに取り込むとどうしても音が変わっていまい、手動で子音の箇所を調整して劣化を最小限にしながら修正していました。
アップデートするたびに音質が良くなり、「Melodyne 4」になった時に歯擦音がかなり良くなり、それからは歌データを全て取り込んで調整することもあります。
メロダインの性能には驚かされるところがたくさんありますが、特に僕が気に入っているのが、別テイクで録音した音でつながりが不自然な状態でも、間のオレンジの線をドラッグして調整し滑らかにすると、すごくナチュラルになります。
歌以外でもベースも楽器録音した時は使うことが多いです。
力(りき)んでピッチが不安定になった箇所など、調整することによって楽曲が安定します。
ベースにメロダインを使用しているエンジニアさんは多いです。
和音が認識できるようになってからは、ギターのコードなどピンポイントで修正に使っています。
ミスタッチなどもこれで除去しています。
「Melodyne 4」になってからは、メロダインの中でEQや倍音の調整もできて、取り込んだ音をシンセのような音作りもできるようになっています。
アレンジしていてどうしてもイメージの音色、フレーズにならない時など、メロダインに突っ込んでイラストを書くように音を触ってみるとイメージの音にできたりするので、僕はピッチ補正以外でも大活躍しています。
「Melodyne 5」になって、歯擦音が認識されて別調整ができるようになっています。
歯擦音を感知すると子音の箇所が縦線のシマシマ状態になっています。
カーソルを「歯擦音バランスツール」に変えて、マウスで掴み下にドラッグすると歯擦音の部分だけ小さくなり、上にドラッグすると歯擦音以外が小さくなります。
今までは分割ツールで子音と母音に分けて調整していたのでこれはかなり効率アップです。
そして、フェードイン、フェードアウト効果です。
これは前々から気軽にできたらいいのになと思っていた機能なのでとても嬉しい機能です。
カーソルを「フェードツール」に変えて、発音あたりでマウスで掴み右にドラッグするとフェードインができ、語尾あたりで左にドラッグするとフェードアウトができます。
今までは分割ツールで細かく分けて手動でフェードをかけていましたが、不自然になる場合はオーディオファイルにしてフェードをかけていました。
「5」はこの機能で自然に調整できるので、僕にとっては大きな進化でした。
好きなところ
・進化し続ける安心のピッチ補正ソフト。
・自分が歌っているかのように補正できる。
気になるところ
・拡大縮小に手間取る人が多いです。
こんな方にオススメ
・ボーカル処理をたくさんする
・生演奏録音が多い
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