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二拠点生活をする僕が、山梨で当たり前にするようになったこと
山梨と神奈川で二拠点生活を始めてから、私にとっての「暮らし」の在り方が大きく変わりました。
田舎暮らしは意外と忙しいんです。週末にテレビをぼーっと見たり、ネットフリックスでドラマを一気見したりする時間は全くありません。暮らしのなかに「やるべきこと」も多ければ、「やりたいこと」もたくさんある。今回は、山梨で暮らすようになって当たり前になった、私の暮らしの営みの一部をご紹介します。きっと、都市部だけで生活していた頃の自分が見たら、そんなことまでやっているのか……と、驚くことでしょう。
薪ストーブと火の温もり
私の家では、暖房に薪ストーブを使っています。この薪ストーブが本当に素晴らしくて、エアコンや電気ストーブでは味わえない自然の火の温もりを感じることができます。火を眺めていると、心がほっと落ち着いて、どこか原始的な感覚が呼び覚まされるように感覚があります。
薪となる木は、購入したり、ご近所同士でシェアしたりして調達しています。ただ、薪を割る作業が結構大変です。薪はなるべく乾燥させておく必要があるため、冬が終わったらすぐに次の次の冬に向けた薪を割り始めるのが理想。特に3月から5月の間が勝負で、その頃は毎週末ひたすら薪割りに没頭します。無心で何かに没頭することは良いリフレッシュにもなったりして、頭の中がスッキリとクリアになり、考え事が捗ることもしばしば。私にとっての薪割りは、サウナで「ととのう」感覚にも近い気がします。
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畑で育て、食卓へ
畑仕事も我が家の日課の一つです。今年はトマトやナス、ピーマン、オクラ、さつまいもなど、いろいろな野菜を育てました。自分で育てたものを食べる喜びはやっぱり格別で、採れたての新鮮な野菜には言葉では表せないようなおいしさがあります。新鮮な野菜は、茹でるだけ、焼くだけ、あるいはそのまま生でと、シンプルに味わうのが結局いちばんおいしくて、贅沢。こちらで暮らすようになってから、凝った料理はあまり作らなくなりました。
今年は特に「ししとう」が山ほど採れすぎて食べ尽くすのに困ったくらい(笑)。ご近所さんにお裾分けしたり、育てた野菜を交換し合ったりするのも、田舎ならではの楽しみです。
都会暮らしの場合は、外食でも、テイクアウトでも、お店で楽しむことが贅沢、とされることが多いように感じます。田舎暮らしの場合は、自分たちでいかにおいしい食材を見つけて、作って、どうおいしく調理するか、というのが贅沢であり、楽しみになっています。
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季節を楽しむ食卓
山梨で暮らすようになってから、旬の味覚を楽しむことが日常になりました。春には庭に出るふきのとうを摘んでふき味噌を作ったり、秋には近所で採れた栗を茹でたり。わが家ではジャム作りは定期的に。たくさん実ったキウイを使ってジャムを作ったり、ほかにも、梨、桃、柿、ブルーベリーなど、ジャムを作る機会は何かと多いです。パンもホームベーカリーで焼いていて、手作りジャムと組み合わせるのがわが家の朝食の定番。ヨモギを摘んでヨモギ餅を作るのも楽しみの一つ。七草粥を食べたり、お月見をしたりと、季節ごとのイベントや祝祭も楽しみながら生活しています。
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子どもたちと一緒に味噌を仕込むのも毎年の恒例行事になりました。私が暮らしている地域の保育園や学校では、子どもたちが「味噌作りの歌」を教わってきます。それを口ずさみながら一緒に作業するのが、親子の楽しい時間になっています。
循環する生活
家から出る生ゴミは、すべてコンポストに入れています。コンポストは、やってみたら意外と簡単で、最初に土台さえ作ってしまえばあとは生ゴミをただそこに捨てて土を被せればOK。ニオイも気になりません。虫や鳥による被害も今のところありません。ゴミが減るし、畑の肥料にも活用できるし、想像以上に簡単だし……ということで、コンポストは本当にやってよかった。
コンポストのおかげで生ゴミを自然に還せるようになったこと、それと市販の食材を買う機会が少なくなったことで包装袋や容器のゴミが減ったことで、都会での暮らしと比べてゴミの量が1/3ほどになりました。
都会だけで生活していた頃はゴミはただ捨てるだけでしたが、今ではそこまで頑張らずとも地球に優しい生活ができるようになり、気分的にも良いです。
山梨での生活を始めてから、何かに没頭したり、自然や季節を楽しむ日々を送ったりするようになったことで、都会だけでは味わうことが難しかった充足感を得られるようになりました。今回は、日頃の暮らしでやっていることについてあれこれご紹介しましたが、また追って、二拠点生活をするようになったことで得た「気付き」についても深堀ってお伝えしたいと思います。