「社内コミュニケーションに課題あり」は、本当か?【オープン社内報】
気持ちだけで、課題を考えない
こんにちは。スカイベイビーズ代表の安井です。前回のnoteでは、全社メンバーによる「経営改善プレゼン」についてお話ししました。
続きの話をします。私が今回の「経営改善プレゼン」で最も意外だったのは、「社内コミュニケーションに課題がある」という意見が多くみられたことでした。
ここ2〜3年でメンバーが倍近く増えたので、まず人数と接触回数の問題だとは思います。スカイベイビーズでは全員がフルリモートワークを採用しているため、「あの人のことをあまりよく知らない」とか、「あの人とあまり喋れていない」という”気持ち”が生じることがあります。でも、その環境を選択しているからには、そういった現象がおこるのは当たり前のことです。デメリットはあらかじめ分かっていてもそれ以上にメリットがあるから、フルリモートワークを採用しているわけです。
「経営課題・組織課題」を考えるとき、「自分の気持ちだけ」で考えないで、客観的に組織の全体性をもって考えられるといいですね。「気持ち」の先にある、「多様性」にまで目を向けてほしいのです。
たとえ話ですが、なんとなく「社内コミュニケーションが課題だなぁ」と感じていることも、よくよくその「多様性」を深掘りしてみると、「真の課題」は、「役割分担がうまくできていないこと」だったり、「お互いの仕事量が把握できていないこと」や、「メンバーのWILLや得意分野が共有できていないこと」だったりします。この場合、単純にコミュニケーション量を増やして解決できるものではないですよね。
だから私は「社内コミュニケーション」そのものが課題だとは思っていません。もちろんそれがゆえに「寂しい」と感じている人がいるならばケアしたいし、「つながり」を求めている人が多ければ、それを濃くする努力をしたい。けれど今のところ「社内コミュニケーション」だけに起因する弊害でクリティカルなものは見えてこないと感じています。
小さな声が、大きな声になるリスク
なぜ、こんな話をしているのかというと、小さな声がだんだんと大きくなって、「集団の答え」になってしまうことがあるからです。そして、その「集団の答え」が「本当の答え」ではなく、「誤解」であるまま認識が共通化されてしまうことが多いからです。
たとえば今回、「社内コミュニケーションが課題だ!」という意見が大きくなってしまいました。そうすると、なんとなく聞いている方も「スカイベイビーズは社内コミュニケーションに課題があるんだなぁ」と感じてしまう。
なんとなく「これが課題だ!」と見えたことが「本質的な問題ではなかった」「大した問題ではなかった」ということはよくあることです。繰り返しになりますが、「自分の気持ちだけで課題を考えようとしないこと」「多様性を深掘りすること」がとても大切です。できるなら各メンバーが、真の課題を冷静に見極め、とらまえる力を磨いていきたいものです。
では、どうしたらいいのでしょうか。一つの答えは、「今手にしている幸せ=土台」をきちんと理解することだと思っています。土台が何かを確認し、それをぶらさないこと。それが目の前の認識や気持ちから誤解を生み出さないための第一歩です。先日の全社会(スカイキャンプ)で、「スカイベイビーズの強み探し」とその「根源探し」をしましたよね。
根源探しで、自分たちが心地よく生きるためには自由な働き方がすごく重要な要素だということがわかりました。「社内コミュニケーション」を活性化させるために、たとえば「リモートワークの廃止」を受け入れられるか?と言えば、難しい。仕事を進める上で、メンバー同士のコミュニケーション不足が理由で弊害が生じているなら、自分から声をかけるしかないし、相手を理解したいならそのための質問を投げかけるしかないと思うのです。
一度や二度の学びで得られる力ではありませんから、これからもトライアンドエラーを繰り返しながら、課題を、真の課題としてとらまえる力を磨いていけたらいいですね。私も、みんなも。会社のためでなく、自分のために。