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「クオリティ・オブ・ワーク」の向上に必要な非認知的思考

先日、スカイベイビーズが運営しているメディア『ソラミドmado』で、スポーツドクターの辻秀一先生に取材をしました。

辻先生は、自己肯定感至上主義から抜け出して自分らしく生きるための考え方として、「自己存在感」を育むことを提唱されています。

そして、自己存在感を育むうえでカギとなるのが、「非認知的思考」です。

辻先生に伺ったお話や著書の内容など、個人的にも共感することばかりでした。今回は、私なりに考えた「非認知的思考」と「仕事の質」の関係について書きたいと思います。

非認知的思考とは?

まず、「非認知的思考」とは、自分自身の心や、内側にある感情に目を向ける思考のこと。「自分の内側に“ある”、つまりただ存在している感情などに目を向け、自分を見つめ、自分を知り、自分という存在を実感すること」が自己存在感であると、辻先生はおっしゃっています。

例えば、スポーツでオリンピックを目指す選手が理論的なトレーニングだけでなく、いかに競技を楽しみ、自分らしさを発揮するかが重要であるように、仕事においていきいきと働くには、「いかに楽しんで取り組めるか」「自分のことを信じられるか」といった、自分の内面を大切にする思考が重要になるのです。

仕事における認知的思考の限界と非認知的思考の重要性

現代の仕事環境では、成果主義が強調され、認知的思考(生命維持の目的を超えてより高い上等な結果を求めようとする思考。外側に目を向け、比較や評価を繰り返していく思考で、非認知的思考の対になるもの)が中心となりがちです。

しかし、仕事の質や、個人の満足度(ウェルビーイング)を高めるためには、認知的思考だけでは不十分です。認知的思考に頼りすぎると、業務が効率的に進む一方で、仕事に対する楽しさややりがい、自己成長の機会を見失ってしまう危険性があります。認知的思考だけでは、「クオリティ・オブ・ライフ」や「クオリティ・オブ・ワーク」には限界があり、ウェルビーイングが損なわれる恐れがあるのです。

「自分が楽しいと感じるのはどんなときか」など、自分の感情に日ごろから向き合うことで非認知的思考を磨いていけば、自然と「楽しむ力」や「自分らしさ」が育まれ、仕事の質も向上していきます。

非認知的思考を磨き、仕事の質を高めるにはどうすればよいか

まず、日ごろから仕事や人生について「なぜこれをしたいのか?」という問いかけを繰り返していくことが大切だと考えています。業務連絡や進捗確認をするだけでなく、自分の内面に目を向け、言語化する機会を日常的に持つことが重要というわけです。たとえば、目標設定が必要な場面では、単に業務上の目的を達成するだけでなく、「なぜこの目標を達成したいと思っているのか」といった感情や動機にも目を向けるべきなのです。

組織としても、非認知的思考を育む環境づくりができるとよいでしょう。たとえば、1on1ミーティングや日常的なミーティングでのチェックインで、メンバーが感情や考えを率直に話せる場や空気をつくるなど。そうした会話を通じて、メンバー一人ひとりが日ごろから仕事に対する感情に向き合うことで、モチベーションが維持でき、業務の質が向上し、個人と組織、両者にとってのウェルビーイングが高まっていきます。

スカイベイビーズとしても、私がメンバーそれぞれと行なっている1on1ミーティングでは仕事の話だけでなく「生き方」や「価値観」の話をすることが多いですし、各チームのMTGではそれぞれ最初にチェックインの時間を設け、「今の気分」「最近あったできごとと、それに対する自分の気持ち」など、自由に発言しあう時間を設けています。

また、以前実施した”WILLを考えるワークショップ”では、メンバーそれぞれが「自分が喜びを感じる瞬間」を思いつく限り挙げることで自分自身の価値観や理想と向き合い、「何を成し遂げたいのか」「どうしてそれを成し遂げたいと思うのか」といった問いを繰り返すことでそれぞれのWILLを見出すという体験をしました。こうした取り組みも非認知的思考を磨くことに役立つと感じているので、今後も定期的にメンバーそれぞれが内面を深堀りする機会をつくっていきたいと考えています。

繰り返しになりますが、現代の成果主義の中では認知的思考が重視されがちですが、仕事の質やウェルビーイングを高めるためには、非認知的思考の重要性を再認識する必要があります。組織としても、個々の感情や好奇心を大切にしながら、自分らしさを発揮できる環境を整えることが求められていくのではないでしょうか。スカイベイビーズとしても、今後も関わる人々の感情を大切にしながら、いきいきと働ける場づくりに力を入れていきたいと思います。

スカイベイビーズは2024年7月に10期目を迎えました

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