フラット組織の混乱 Part.04 〜優先順位・ファシリテーション力・教育〜
スカイベイビーズは数年前から「フラット組織」を公言し、推進してきました。お手本となる組織はそう多くなく、手探りのなか試行錯誤している過程です。当社のメンバーも困惑していると思いますが、僕自身「これでいいんだろうか?」と戸惑う場面が多々あります。今日はそんな「フラット組織を運営する上で悩んでいること」についてお話します。
仕事の優先順位を決めるのは誰?
当社には、①ブランディングやWeb制作などを行うクリエイティブ事業(クライアントワーク)と、②ECサイトやメディアなどを運営する自社事業の2つの事業があります。
時折メンバーから、①クリエイティブ事業と②自社事業、「それぞれの仕事量の配分」を決めたいといった声があがります。気持ちはよくわかります。でも企業には、「すぐに収益化する仕事」だけでなく、「投資の側面を持った仕事」も存在する。組織の未来のために、今から種蒔きを始めて育てていく、そんな仕事です。
どうしても締切がある仕事、目の前でお客様が困っている仕事を優先してしまいがちです。また、ヒエラルキー組織であれば、「マネージャー」や「リーダー」が優先順位を決めて、メンバーにタスクを振り分けるでしょう。
しかし、フラット組織では、指示をしてくれる人はいないのです。自分で決めるしかない。自分で、組織にとって重要なミッションが何かを判断し、優先順位を決めて、実行していく。そんなスキルを身につける必要があるのです。「ティール組織」という概念の中ではそれを「自主経営=セルフコントロール」と呼んでいたりします。
フラット組織において、仕事の優先順位を決めるのは「自分」でしかないのです。
ファシリテーション力は必要?
人には得手・不得手があります。それぞれの特長を生かし、互いに補いながら成長していきたい、というのが私の考えです。
ただ「ファシリテーション力」は誰もが持つべきポータブルスキルの一つではないかと考えています。というよりも、先が読めないVUCAの時代では、ファシリテーション力を持っていることは重要視されると確信していて、持っていて損はないスキルです。
ファシリテーション力は、分解すると「共有、発散、収束、決定」などになりますが、自分で「決定」しなくても良いと思うのです。みんなから引き出し発散させて、収束させていく力があれば、決まっていくはず。5人中3人の答えが一緒だからそれに決める、といった多数決のような決め方でなく、本質的な答えを導き出す力を磨いていきたいのです。
町内会の話し合いとか、本当に何も決まらないんですよ(笑)。上下関係なんて存在しない組織ですから。少し強引かもしれませんが、「とりあえず一人一言、意見を言いましょうか」なんて切り出せるかどうか。場がしーんとなっているときに、その場の空気を変える一言をぶつけることができる力こそ、ファシリテーション力だと思います。
ファシリテーション力がある方が、フラットな共同体では生きやすい、と思うのです。
教育するのは誰?
フラット組織における教育をどうするか?についても悩んでいます。これはまだ答えが出ていません。
キャリアも出自も異なるメンバーが集まり、上下関係がないなかで、その場にいる人の「親心」のようなもので自然発生的に生まれる「教育」に頼ってよいものなのか。
はたまた「組織」として必要だと思われる素養を身につけるために、いわゆるな教育機会を提供すべきか。
そうでなければ、「それぞれが、それぞれで自発的に頑張って」となってしまう。組織力を向上させるためには、それぞれが個々のスキルを向上させる必要がある。そういう意味では、教育的観点はやっぱり必要なのだと思います。
教育そのものの在り方が問われていると感じていますし、お互いがお互いに支え合う、スカイベイビーズらしい在り方を考えていきたいです。
フラット組織について試行錯誤ている回はこちらからご覧ください。