股関節199 人工股関節置換術と肺血栓塞栓症
おはようございます。
まだ内科的な病気で入院したことはない塗山正宏です。
今日のテーマは、
人工股関節置換術と肺血栓塞栓症についてです。
人工股関節置換術の合併症のなかに、深部静脈血栓症と肺血栓塞栓症があります。
深部静脈血栓症は「下肢の静脈に血の塊(血栓)ができて血管をふさいでしまう病気」です。
「下肢の血管に出来た血栓が何かの拍子にはがれて、血流に乗って肺まで到達し、肺の血管をふさいでしまう病気」が肺血栓塞栓症です。
深部静脈血栓症の発症率は20~30%程度と報告されています。
肺血栓塞栓症の発生頻度は0.5~1%程度と報告されています。
致死的肺血栓塞栓症は0.5%未満と報告されています。
肺血栓塞栓症では、肺の血管がふさがると、血液ガスの交換がうまくおこなわれず、呼吸困難や胸の痛みを感じるようになります。
致死的肺血栓塞栓症を発症した場合には命を落とす場合があります。
それくらい肺血栓塞栓症は恐ろしい病気です。
では、なぜ深部静脈血栓症は発生するのでしょうか??
人工股関節置換術を行うと体内で出血が起こります。人間の体は体内で出血が起きると、体内で出血を止めるために血を固めよう、固めようという働きが出ます(専門的に言うと、凝固系の亢進)。
そうなると血が固まりやすくなり、血栓が出来やすくなるのです。
そのため、深部静脈血栓症に対して予防するのがとても大事になります。
いかに血栓が出来ないように予防するかが大切なのです。
などがあります。
ひとつの方法ではなく、様々な方法で予防することが大事なのです。
私は術後当日から離床を行うことによって、少しでも血栓症の発生リスクを下げるようにしています。
早期離床が血栓予防に有効になりますからね。
本日のまとめ
血栓症を起こさないためにも、術後は足をなるべく動かしておきましょう!
「山盛りのから揚げとビールって最高!」
平日は基本お酒を飲まない生活スタイルの整形外科医の塗山正宏でした。