戸隠森林植物園 with タンバール
前回アップした戸隠森林植物園トレッキング。今回はその風景編です。
今回の使用レンズはLeica Thambar 90mm F2.2(タンバール)とApo-Summicron M50mmです。
タンバールは1935年から1949年の間に2984本生産されたフィルム時代のレンズです。写真家・木村伊兵衛が用いたことでも有名です。一方のアポズミクロンは2013年に発売された現代のレンズ。
今回新しく手に入れたタンバールは風景ではどんな感じなのかを試したかったので、いつものアポズミクロンと共に持ってきました。
どうでしょう。まさにThe Thambar!といった描写です。柔らかさが全面に満ちているのですが、よく見るとピントに芯があります。
次は同じ被写体をアポズミクロンで撮影したもの。
どうでしょう?アポズミクロンもいいですよね〜!
次はタンバール。
小さな花は光を反射していて、それが滲みを生んでいます。柔らかい描写です。
そしてアポズミクロン。
こちらもいい雰囲気。ここまで来るとどちらも素晴らしいの一言。
次はタンバール。
これもいいですね。苔が柔らかい光を放っています。生命の優しさを感じます。
こちらは被写体は違いますが、アポズミクロンで苔を写したもの。
同じ被写体ではないので単純に比較はできませんが、アポズミクロンの圧倒的な情報量の多さとなだらかで美しいボケ具合も素晴らしい!
ここからはタンバールが続きます。
これは主題の葉よりも背景が少々やかましすぎるかも。
これは2メモリほど絞っています。開放よりは全体がだいぶ輪郭のしっかりとした描写になっています。
こちらは開放です。柔らかい日差しが差し込んでいる様に写っています。
ここからはアポズミクロン。
いかがだったでしょか?タンバールはどれも付属のフィルターなしで撮影しました。フィルターをつけるとさらにソフトになり、全体に薄いベールがかかった様な感じになります。今回は風景なのでクリアな色味も欲しいなと思いフィルターなしで写してみました。使ってみると、遠景よりも被写体に近づいてポートレートの様に写す接写の方が良いと感じました。
一方のアポズミクロンはもういうことなしの圧倒的な描写でした。圧倒的な情報量でありながらボケ具合もなだらかで美しい。その被写体の美しさを引き出す圧倒的な描写力は被写体の佇まいを特別なものとして描き出していると感じます。素晴らしいレンズです。
こうしてみると、どちらのレンズも対極的な描写でありながらも、美しさを追求するという面において共通哲学を感じます。
1935年製造のレンズ(私のものは1937年製)も2013年製のレンズも同じ現代もボディで使え、そしてそのどちらのレンズの性能をも引き出すことができるって素晴らしいあと感じました。
では。