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また行ってみたいシリーズ vol.2 アルル〜サント・マリー・ド・ラ・メール編  その1

昔撮影した写真を見ながら「また行ってみたいなあ」と振り返る,独り言的書き物の第2弾。今回は,アルル〜サント・マリー・ド・ラ・メールです。
学生時代,割とよく映画をよく見に行っていました。今でも記憶に残っているのは、「シラノ・ド・ベルジュラック」,「髪結いの亭主」,「デリカテッセン」など。銀座和光の裏の通りにあった小さな映画館がお気に入りで,当時見ていた映画もその映画館のセレクトなのか,古い映画が多かった様に思います。例えば「雨に唄えば」とか。そうそう,「黒い瞳」(マルチェロ・マストロヤンニ)もそこで見ました。良かったですね。映画も面白いのですが,話される台詞の美しさ、言葉の響きの美しさも心地よかった。その映画館で上演していた映画が,思い返してみればフランス映画が多かったように思います。フランス語の響きは,滑らかな繋がりがあって染み込んでくる様で,おしゃれな感じというのでしょうか,洗練された感じがあって魅力的でした。それ以外にも,中学か高校生の時にテレビで見た「フレンズ」(これは1971年日本公開)という映画も記憶に残っています。この映画は,ストーリーもさることながら,舞台になったカマルグの風景,その中での様々な出来事が美しかったなあ。
それ以外のフランス体験としては,学生の時,パリ・シャトレー劇場で開催された演奏会に出演したこともありましたし、ゴッホの絵も好きでしたし。そんなこともあって、フランスには興味がありました。その様なことがフランスに行ってみようと思う伏線になっていたのかなあと思います。

では、さっそく、、、本編へ、、、

1 パリ〜アルルへ


アルルに行ってみようと思ったのは、パリのオルセー美術館でゴッホの絵を見た時です。「そうだ、帰国する前にアルルにも行ってみよう!」と急に思い立ちました。

パリからは、フランス版新幹線TGVでアヴィニョンまで行き、そこで乗り換えてアルルまで。
その時の服装は、デニムに登山靴、Tシャツに大きなバッグパックと、ほぼバックパッカーそのもの。座席に座る時にも、少し白い目で見られていましたね。

アルルに着いたのはお昼過ぎ。たいての場合,私は事前にホテルを予約せず,目的地に着いたらまずインフォメーションに行って、その日の宿を取っていました。しかし、到着したのはお昼。当然,お昼休みでインフォメーションはしまっていました。仕方がないので、ローヌ川沿いの護岸堤に寝転んで、インフォメーションが再開するのを待ちました。

ここで少し昼寝。

一眠りしている間に,インフォメーション再開の時間に。早速,宿を予約すべく行きました。カウンターには若い美しい女性。早速,予約したい旨を片言の英語で話したところ,無慈悲なまでのすごいスピードで対応されました。まあ,予約できたので良しとしてインフォメーションを後にし,ホテルへ向かいました。

ホテルは,古い建物でしたが雰囲気の良いホテル。部屋も,歴史を感じさせるようなアンティークな雰囲気。早速,カメラを持って街歩きへ。

まずは腹ごしらえ。街の広場近くにあるレストランへ。中からお店の気の良さそうなおじさんが出てきて,「今日はパエリアとサングリアしかないよ」と説明してくれました。私は,それでも全然問題なしとばかりに「OK!」という感じで答えました。そしたら,「一番いい席へ案内してあげよう!」ということで,外の少しお店から離れたテーブルへ案内してくれました。
オープンスペースの気持ちの良い場所で,待つことしばし。運ばれてきたパエリアをサングリアとともに食べていると,何やら周りが騒がしい。顔を上げてみるとテーブルの周りにもたくさん人が立っていました。そういえば,私が案内されたテービルのそばに,なぜが鉄製の柵が置かれています。初めはあまり気にしませんでしたが,他の人たちは柵に沿って立っています。

間も無く,道の向こうから男性が大勢走ってきました。あれ,なんんだろう?と思う間も無く次にやってきたのは,なんと「牛!」。
訳がわからないながらも,急いで目の前にある食事を平らげるべく闘いました。そしたら,周りの人たちが私を見ているではありませんか。そして,皆さん,私に向かって・・・

皆さん「ブラヴォー!」

 拍手喝采!

私「ん・・・?」

どうやら,この騒ぎの中でも食事を続けていた私への賞賛!?だったようでした・・・。

食事を終え,再び街歩き。真っ白な劇場もありました。これはおそらく遺跡なんだろうけど、今でも上演しているんだなと思わせる感じ。(のちに劇場として今でも使われていることがわかりました。)

椅子が現代のものですし。

間も無く大きな闘技場が見えてきました。そういえば,ガイドブックに,ここら辺りはローマ帝国の植民地だったと書いてあったのを思い出しました。で,近づいてみると,なんとこれから闘牛をやるというではありませんか?いつものことながら私は下調べもなく出かけていますので,基本,その町でどんな催しがあるかなどはまるでわかっていませんでした。

闘牛が行われた闘技場



「そうか,闘牛はスペインだけではなく,アルルでも見られるんだ!」

とばかりに,列に並んで一番安い席を買いました。その席はいわゆる,日向席!日差しがハンパない席でした。
生まれて初めて,闘牛を見ました。その闘牛は牛を仕留めるまで行う闘牛。乾いた土の上に闘牛士と牛。映像で見たそのものが繰り広げられました。
私は,ただただ「おお!」「おお!」でした。
牛は見事仕留められましたが,闘牛士が1人が角で突かれました。そういうこともあるんですね。

全ての闘牛が終わり外へ出ると,色とりどりの美しいドレスで着飾った美しい女性たち,それを取り巻く男性たち。オペラ「カルメン」のフィナーレそのもの。そのうち,黒塗りのベンツが到着するや,歓声が上がり,皆が一斉に取り囲みました。みると,たった今戦っていた闘牛士が,車に衣裳のまま乗っていて,中から皆に何かを配っていました。
私も訳がわからないながらも,その中に混じりました。するとやっと私の番に。闘牛士から「団扇」をもらいました。もらっているのは女性ばかりでしたが,まあいい記念になりました。

・・・というわけでアルル編前半はここまで。

次回は(いつになるかわかりませんが・・・),アルル〜サント・マリー・ド・ラ・メール編を書いてみたいと思います。

では。




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