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『日常のなかのワールドワーク』を手掛かりにプロセスを生きる

プロセスという言葉は、とても奥深い言葉だ。正式に何と訳されているのか分からないけれど、個人的には、「宇宙の自己組織化の流れ」という言葉を当てている。「道(タオ)」と言ってもいいかもしれない。

私たちは、「宇宙の自己組織化の流れ」の一部として生きており、そこに「個人の自己組織化の流れ」を重ねて、人生という物語を生成し続けているのだろう。

2022年にDayaさんのワールドワーク合宿を体験した。それは、私たちが、プロセスの一部として生きていることを実感することができるプログラムだった。Dayaさんは、私たちの身体というチャンネルから発生するシグナルを巧みにピックアップして理解可能な形にしてくれる。それを手掛かりにして、私たちは、自分では見逃しがちなプロセスの存在に気付くことができる。それは、世界の捉え方を大きく転換するインパクトを持つ。

しかし、合宿という非日常が終わり、慌ただしい日常に戻ると、私たちは、微細なシグナルに意識を向けることを忘れ、頭の中で設定した目標に没頭しがちになる。社会変革は日常の在り方が変わることで起こる。ワークショップはきっかけであり、日常こそが本番だ。
 
Dayaさんが、『日常のなかのワールドワーク』という書籍を書いた背景には、きっと、プロセスワークの考え方を日常で使ってほしいという願いがあったのではないだろうか。プロセスは、日常生活の根底に流れているのだから。
 
この本の中で、Dayaさんは自身の体験を学びの素材として差し出している。似たような体験を持つ人は記憶を呼び起こされるだろうし、体験を持たない人は、Dayaさんの文章を通して追体験するだろう。その記述は臨場感があり、心をゆすぶられる。しかし、大事なのは、その後である。Dayaさんは、それを単に個人の体験のシェアとしてではなく、プロセスとして意味づけてフレーミングする。プロセスワークの日常における実践例として提供しているのだ。そこにDayaさんが人生を通して蓄積してきた叡智がある。

日常とは、宇宙の流れと個人の流れが重なり合う実践の場だ。それをどのように捉えて、どのようにプロセスを生きるのか?『日常のなかのワールドワーク』は、Dayaさんが示してくれる具体例を手掛かりに探究を始められるようになっている。一人で読んでもいいし、グループで対話しながら読んでもいいと思う。まずは、始めてみることだ。体験からしか学べないものだから。

2023.3.4 広島へ向かう新幹線の中にて
田原真人

レビューを書き終えたら広島駅に着いた

なかなか書けなかったレビューが、広島行の新幹線の中ですいすい書けた。書き終わったら広島駅に着いた。これは、プロセスマインドのどんなメッセージなんだろうか?

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