eSIMはスタート地点。12億円の資金調達をしたトリファが、日本発グローバルNo.1に向けて目指す世界
はじめまして。株式会社トリファ代表の嘉名 雅俊(かな まさとし)といいます。この度、ANAホールディングスおよびグローバル・ブレインら新規株主及び金融機関からの融資により、総額12億円を資金調達させていただきました。
今回のラウンドで新しく株主になってくださったANAホールディングス、グローバル・ブレイン、創業時から全ラウンドで投資してくださったTHE SEED 廣澤さん、普段から相談に乗っていただいている個人投資家の皆様、そして何より普段からトリファを支えてくれているメンバーのみんなにはこの場を借りて再度感謝を伝えられればと思います。本当にいつもありがとうございます。
ちなみに弊社としてはこれが初めての資金調達のプレスリリースです。折角の機会ですのでこの報告に合わせ、僕自身の自己紹介、トリファのこれまでとこれからをお伝えし、弊社のことをもっと知っていただけたらと思い、noteを書いてみることにしました。
いきなりですが、僕には『スタートアップで日本を強くすること』という生涯の目標があります。海外で遭遇したあることがきっかけとなり、強くそう思うようになりました。
日本は憧れの国ではなくなっていた
1995年石川県小松市で生まれた僕は、高校までそれなりに充実感があったものの、心から熱中できるものを見つけられずにいる少年でした。それは地元を出て大学進学しても変わることなく、妙な焦燥感にかられながら生活していたことを今でも思い出します。
このまま志を持たずに、社会に出て良いのだろうか。
そんな感情で悶々としていたときに、お世話になっていた方から沢木耕太郎の紀行小説『深夜特急』を勧められました。物語には想像さえしなかった魅力的な場所、人物が次々と登場します。次第に僕も世界を自分の目で見てみたくなり、1年間休学をして海外へ出ることを決断しました。
そこで、その後の人生を大きく左右する出来事に出会います。
縁あってベトナムの会社にインターンとして採用されたんですが、業務の中でベトナムのスタートアップコミュニティと関わる機会がありました。
そこで僕は、自分よりも年下の人たちが『自分たちがスタートアップでベトナムを変えるんだ』と熱く語る姿を目の当たりにし、大きな衝撃を受けました。さらにショックだったのが、彼らが見ている先は日本ではなく、アメリカや中国という事実です。
当時の僕はトヨタやソニーなどもあるし、世界でも日本企業の存在感はまだまだ強いと思っていたんですが、日本のプレゼンスが大きく下がっていることをそこで初めて実感しました。
自分が普段見ている世界のスケールの小ささ、日本の世界的な存在感が薄れていることを突きつけられ、強烈な悔しさを抱いたことを覚えています。
それまで抱いていた焦燥感の原因は、人生を捧げられるほど大きなスケールのものを見つけられていなかったことにあったのかもしれない。そう気づいた僕が出した答えが、先程述べた『スタートアップで日本を強くすること』です。
そのためにも、自分がサービスを作れるようになることが一番の近道であると思い、エンジニアを目指すことにしました。
ようやく見つけたトリファの原型
日本に戻った僕はさっそく独学でプログラミングを学び、チャットボットを提供するZealsにエンジニアインターンとして参加することにしました。
「日本をぶち上げる」という会社のビジョンと自分自身の思いが重なり、ここでなら自分の目指す視座感で働けると思ったからです。インターンを経た後にそのまま入社し、PMや海外開発拠点責任者などを務めさせていただきました。
エンジニアとしてのスキルを磨くことができたのはもちろんですが、十数名から100名規模へと成長する組織の拡大を間近で体感できたのは貴重な経験でした。ここで出会った多くの方々にはトリファ創業期にも協力していただきましたし、Zealsで過ごした日々は僕にとってかけがえのない時間です。
Zealsで働きながら「いつかは起業を」と考えていましたが、明確に起業に向けて動いたのは鹿児島県の戦争資料館を訪問してからのことです。
若い特攻隊員たちの遺言を眼の前にして、自分の残りの人生を何に使うかを改めて考えさせられました。世界に羽ばたいていける日本発のプロダクトを作りたい、そのために時間を使いたい。その思いを強くし、ついに起業を決意します。
ただ起業してはみたものの、当時は想いだけが先行し、具体的なビジョンも何も定まっていない状態。何が正しいのかわからないまま、いくつかのサービスをリリースし続け、自分たちの方向性を見出す期間が続きました。そうして苦しい試行錯誤を続けた末、ある想いにたどり着きます。
日本を強くするためには、かつての自分のように世界を体感することが必要なのではないか。日本人がもっと気軽に海外を体験することに貢献できるサービスを作りたい。
その想いがいまのトリファにつながっています。
苦しい中でも譲れなかったこだわり
日本人の海外体験数を増やすべく、2021年8月に eSIM サービスを開始するも、コロナ禍ということもあって始めは非常に苦労しました。海外旅行する人はほぼいない。社員数も少ないので開発もマーケもカスタマーサポートも1人でこなさなければいけない。志はあっても目の前のことで精一杯。まさに先が見えない状態でした。
そんな苦しい状況下にあっても、一貫してこだわり続けたものがあります。それは通信品質とカスタマーサポートの2点です。
海外旅行の通信インフラとなるためにも「安心感」は重要です。いざというときに繋がらない、問い合わせても返事がないようなサービスは安心して使うことができません。
まず通信品質については、世界各国にて複数の通信プロバイダーと提携しました。1つのプロバイダーに障害が発生したとしても、すぐに別のプロバイダーに繋いで高品質な通信を維持できるような設計にしています。
またカスタマーサポートについては、世界最高のカスタマーサポートと称されるザッポスレベルでの対応を目指して、24時間体制の有人チャットサポート体制を内製化しました。トラブル時に少しでも不安解消するため、問い合わせから1分以内で対応開始できるようにオペレーションを構築しています。
このこだわりが実を結んだのか、アプリストアでの平均スコアは4.6、eSIMプレイヤーとしては国内の旅行カテゴリでランキングトップを獲得できました。日本における海外通信eSIMアプリのパイオニアとして、直近の利用者数はQoQで平均成長率が160%と、急速な成長を迎えています。
これからも国内圧倒的No.1を目指し、個人向けサービスはもちろん、法人向けサービス、の提供も強化していきます。また、韓国・台湾・香港といったアジア圏の顧客へのアプローチもしていきながらグローバル展開も加速させていきます。
新しい「旅行のインフラ」を目指して
トリファは単なる通信アプリではなく、旅行全般において新しい「当たり前」を提供するために設立しました。その名前の由来は、trip(旅行)とinfrastructure(インフラ)を組み合わせたもので、旅行の基盤となることを目指しています。
直近では、海外eSIMアプリとして日本国内で圧倒的No.1のポジションを確立するとともに、海外展開を急速に進める計画です。将来的には、旅行者のあらゆる課題やニーズに対応するグローバルトラベルテック企業として成長を続け、最終的には「パスポート + トリファ」だけで世界中を自由に旅行できる未来を実現したいと考えています。
最後に
“失われた30年”と呼ばれるように、日本の経済状況は伸び悩んでいます。自分に子どもや孫が生まれ、大人になった頃にもこの状況が変わらないのではないかと考えると、非常に不安です。そんな暗い未来を想像しそうになったとき、僕はいつも幕末のことを思い浮かべます。
黒船来航で欧米列強の脅威を感じた若者たちが、どうにかしなければならないと必死に考え、行動を起こした結果、日本は世界に羽ばたくきっかけをつかみました。
同様にアメリカや中国の台頭が加速する現状においても、日本はその底力を結集しさえすれば、再び世界におけるプレゼンスを高めることができるはず。そして僕たちトリファも、その実現に寄与したい。本気でそう考えています。
トリファは正社員16名、平均年齢28歳という、まだ若くこれからの企業です。個人としても、会社としてもまだまだ力不足を痛感することだらけですが、海外旅行の未来を変える志だけは誰にも負けません。
もし日本発グローバルNo.1という僕達の志に賛同してくれる方がいらっしゃいましたら、ぜひご連絡ください。まずはカジュアルにお話してみたいという方も大歓迎です。DMなどでのお問い合わせもお待ちしております!
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