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読書・映画感想文

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#小説

過去に存在する自分の“加害性”との対峙(小説「ブルーマリッジ」を読んで)

あの人が今の自分の発言や投稿を読んだらどう思うのだろうか。過去の自分の行動は、批判する自…

泣くほどの理由もない。ただ一人ぼっちだ

ただ出会いを探しただけなのに、なぜこんなにも自分の人生について突きつけられ、悩むのか。 …

「ピンとこない」の中にある傲慢さ

「ピンとこない」って便利な言葉だなと思う。その通りではあるのだけれど、目の前にあったはず…

黄色い家、危うさと隣り合わせだった過去

川上未映子さんの「黄色い家」。貧困や犯罪と隣り合わせの環境や家という小さな世界以外に社会…

ぼやける記憶の中で、確かにあったこと

東京の喧騒の中で生きていると、東北で育った頃の記憶がぼやけていく。生きる世界線が近いよう…

中学3年、夏。

中学3年、夏。僕が捧げたのは6人で襷を繋ぐ"駅伝"。自分のルーツを挙げるとしたら、絶対にあの…

愛されることを受け取ってもいい

はっきり言って、自分は「闇」とか「影」のある人間だと思う。できれば明るく平和に生きていたい。言葉を恐れずに言えば誰にでも愛されるような人、幸せそうなものへの憧れもある。 そういった「愛嬌」が自分のなかにあることもわかる。しかし、自分の持つ影や闇の部分により、本当に愛されるに足る人間なのか、自信を持っていいのかグラグラと揺れてしまう。 昨日、書店で手に取った小説「52ヘルツのクジラたち」は影を持つ自分ゆえに共感した物語だった。 主人公である貴瑚(きこ)は幼い頃から母親によ