今週(3/27~3/31)のイベントチェックと相場戦略(無料記事)
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■ イベント確認と投資戦略(3/27~3/31)
▪現状分析と相場の方向性
-現状分析
SVBショックはいったん収まったと考える。
ただし、そもそも騒ぎすぎていただけの話だったのかと考えると、政府や当局の動きの俊敏さから、金融ショックにはさせない政府の意図を感じた。
ヨーロッパに関しても、
クレディスイスに関するニュースが巡ったものの、スイス政府とUBSの介入により金融不安には拡大しなかった。
その流れで見ると、今週話題に上がったドイツ銀行の株価暴落も、クレディスイスの流れで見れば政府救済により金融業界全体への不安拡大になる可能性は低いと考える。
金融危機に広がるような大きな内容であれば
ECBの0.5%利上げなどできなかっただろうし、
金融不安で話題一色の状況で、パウエルがいち早くコメントを出しただろうと考えると、今回の件はまさに累積的な利上げの成果で、クソな銀行が危機的状況に陥ったと考えられる。
この状況はインフレ抑制に遮二無二頑張ってきたパウエルにとっては「してやったり!」でVサインものであったのではないかと、個人的には見ている。
さて、FOMC会合にて0.25%の利上げが市場予想の通り行われることになり、今後も脆弱な経営基盤の銀行は潰れていく可能性はあると考える。
-今後の方向性
上述の通り、金融不安という今沸き起こっていることは、システム的には収まる可能性が高いと考えられるが、システム的に解決されない問題が浮かび上がる。
それが、今回のSVBショックでわかった、「即時破綻」が出来上がる、預金者の取り付け騒ぎである。
これは金融不安がまだまだ世の中に話題として渦巻く限り、今後も増えていく可能性をストーリーとして持っておきたい。
取り付け騒ぎによってこんなにも簡単に破綻できてしまうのであれば、思ったよりもクソ銀行の破綻ニュースはこれからも増えていくのではないだろうか。
また、FRBが急遽発動したBTFP(bank term funding program)は有価証券を担保として借入が可能とする制度であり、ファーストリパブリック銀行のような貸出業務中心で運用有価証券が少ない銀行ではこの制度は助けにならない。
このことも、今後もクソ銀行が潰れていくことを予見させる材料となりえる。
今回、いっきに3行の銀行破綻と、クレディスイス、ドイツ銀行、と、いっきにこれだけの数の銀行が悲鳴を上げるニュースが出た。
今回はたまたま収まりそうだが、金融に精通していない一般庶民はこの状況をどう見ただろうか。
「銀行への不安」を抱えながらこれから生きていくことになるのではないかと考える。
銀行株への投資は非常に難しい局面にいる、と考える。
最近、金やビットコインが息を吹き返している理由はこういった銀行株からの逃避もあると考える。
-利上げの最終局面
今回の金融不安騒動によって利上げは間違いなく最終局面に来ていると言える。金融不安が起こらなかった場合を考えれば、だいぶ利上げ終了は早まったことは間違いない。
・海外スケジュール
31日(金)のイエレン財務長官発言が注目。
債務上限問題に関するコメントがあるかどうか。
当初10月頃と言われていたXデーが、SVBショックで早まるとしたらサプライズで暴落あり得る。
・日本
-ガッツリ売られる週が続いている
4週連続の外人の売り越し。
信託銀行に関しては年末からずっと売り越しが続いている。
-「日銀政策の限界」論が全く聞かれなくなった。
日本の銀行株が上昇し、今回のSVBショックまでひと相場作った際には
「YCC政策の限界」「国債市場機能がもう限界」などというオカルト論がガンガンされていたが、全く見なくなった。円高ドル安、米金融不安による米金利下落で静まった。そもそも何の根拠もないオカルト論であっただけに筆者としては日経新聞筆頭に無責任な連中だと感じざるを得なかった。
日本の銀行構造は全く諸外国のものとは異なる体質なので、相対的に安心と考えるが、相場は理屈では動かない。
今週も銀行株は見ているだけになりそうだ。
一方で好決算を出した小型グロース企業は昨年の下落相場を受けて、底堅さ、堅調さを感じる。
金融不安の巻き添えを食らってしまうことは避けられないと考え、業績だけでなく財務も確認し、引き続き好決算銘柄から投資チャンスを見ていきたい。
-日本のスケジュール
今週は特に決算は多くない。
※投資の最終判断は自己責任でお願いします。
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