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社長である前に、父である。ということ。

僕は、公私混同が嫌い。

だから、社長の息子でありながら、会社では社長にとてもよそよそしい。

プライベートでも、父を社長と呼んでしまう。


たまに、「あいつは、社長の息子だからー 」という発言を聞くのもすごく嫌いだし、そんなの関係なく、結果出してるじゃん!って思ったりもする。


社長である父自身が、なんだか自分だけに、周りとはちょっと違う感じの接し方をしてくるときも、嫌だなって思う。


そんな感じだからかな。

社長が責任を果たしていないと感じたり、実際にやるべきことをやらなかったりすると、結構冷酷に責てしまっていた。

いや、実際に、かなりひどい責め方をしていたと思う。

「社長、こんな根拠のない目標設定なんて、毒にしかなりませんよ!」

こんな事を、会議の場で言っていたんだよ?

これって、とても良くないって、今は分かるんだけど、なぜか当時はそんな思考になっていたんだよね。


冷静に考えてみると、社長の息子という立場があるからこそ、社長に直接モノが言えるし、強くモノも言えているはずなのに、むしろ、そう思われたくなくって、逆の行動がエスカレートしていたんだと思う。

今思えば、それも甘えだよね。

父だから、何でも言える、みたいな。

その根底には、僕自身の実力を認めてほしい、ゲタを履かせてもらっているだけだと思われたくない、みたいな気持ちがあったように感じる。

そんな負の感情をぶつけられて、父も辛かったろうなー。

もう、反省しかないよね。ごめんなさい。


同族間の事業承継する時に大切なのは、やっぱり親子の信頼関係。

特に息子が、父である社長を思いやる気持ちをもっていないと、スムーズにはいかない。

「くそ親父め!」みたいに思っていたら、いつまでたっても信頼関係が築けずに、お互い消耗して不幸になるだけです。

もし、以前の僕と同じような考えを持っている人がいたら、僕と同じ失敗の穴に落ちないようにしてほしい。


もし、今の僕が過去の僕にアドバイスできるとしたら、たぶんこんなことを言うだろうなってことを、書いてみます。


・もし自分が0からこの会社を作るとしたら、どうだろう。

こんな立派な建物を建て、従業員を20人も雇い、200を超える企業を取引先としている。

自分に作ることができるかい?そう思うと、社長はすごい思わない?


・この会社の歴史を学ぼう。

リーマンショック、9.11テロ、バブル崩壊など、これまでにいろいろな会社の逆境があったけど、その度に乗り越えてきて、今があるんだよ。

取引先や信頼していた人に裏切られたこともあった。

そんな逆境を、自分だったら乗り越えられたかな?社長だったからこそだよね。


公私混同が嫌い。という考え方は、僕は今も変わりません。

でも、社長に対しての『尊敬の念』は、忘れてはいけない。

新しく入ったばっかりの社員には、そんな過去のことなんて、どうでもいいことかもしれない。

けれど、息子として、「オレの父ちゃんスゲー!」っていう気持ちは、忘れてはいけないなって思います。


社長である前に、自身の父として、『尊敬の念』をもつこと。

これがとても大切で、この気持ちに正直になれた時に初めて、社長である父との事業承継の話が、スムーズにできるんじゃないかなって思ってます。

そんな視点で、日ごろからの行動を見直してみてほしいです。


跡取りは跡取りで大変だけれど、頑張ってください!

応援しています!

※音声も、毎日配信しています。

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