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「コトバの論理化」

吉本隆明は「蕪村詩のイデオロギイ」(一九五五年)にこう書いた。

日本のコトバの論理化は、日本の社会構造の論理化なしには不可能である。

この命題は不可逆である、と山城むつみは主張する。すなわち、「日本の社会構造の論理化は、日本のコトバの論理化なしには不可能である」という逆命題は成り立たない、と(「詩の『場所』をめぐって」 一九九九年)。

一九五〇年代の吉本隆明においては、「論理化」の道筋は確かにこの順序でしか解決され得ない課題であったかも知れない。

ところで、「一九五〇年代の吉本隆明」を離れて内部世界と外部世界の論理化について考えようとするとき、上記の逆命題こそが有効に作用する局面はやはり一度も訪れることがないのだろうか。

2024.7.14

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