
『AIと壁打ち』note#03:アテンション・プリーズ!?(前編)
マーケターの頭を悩まし続けてきたブランディング広告の効果測定手法として、アテンション計測がにわかに注目を集めている。(中略)ユーザーが広告を実際に視聴した秒数を「アテンションタイム」として計測することで、それぞれの広告に対してどれだけの関心が示されたかを把握するための指標として活用されています。(中略)ユーザーが実際に広告を目にした時間をリアルタイムで計測し、事業成果とも密接な相関性がある指標として既に活用され始めています。
ー記事より抜粋
Attention Viewを軸に広告を効果計測することがトレンドとして語られはじめていますが、うーん。どうなんだろ。その真意が日本語で俗にいう「アテンション」だと雑に解釈されて、「目立てばいい」「バズればいい」というだけのいわゆる「Attention至上主義」に繋がり、ともすればブランドを毀損する危険性を孕んでいることも、同時に考えなければならないのではないかと、バイロンシャープ教授も、以下の寄稿で述べています。
もちろん認知獲得には露出は必要。しかしながら、Attention Viewという指標は、その言葉が文字通り意味するほど「注目喚起」には至っていないのが実情ーとも言われています。facebookもインスタもAttentionにざっくり1本化したらしいけれど。だからといって、プラットフォーマーの言い分だけをそのまま真に受けて「これからはアテンションです!」と、クライアントにそのままお伝えし、マーコムの設計プロセス全体を、あたらしい指標ありきで巻きかえ、煙に巻くようなことになってしまっても、よくありません。
そうでなはくて。本来測るべき「指標」は、事業やブランド、商品の売上=顧客数や購入頻度などの、「実務」としてよりプラグマティックな成果に紐つけられ、扱われるべきものではないかと。指標のための指標づくりや対策ばかりに言い逃れをしていては、マーケターに先はない。クリエイティブも危うい。そこを、ちゃんと考えながら臨まないと、デジマはそのうちぜんぶ、AIに取って替わられ、オートメーション化されてしまうかもしれません。
クリエイティブに限って言っても同じ。ちゃんと考えてますよ、って?そうかな。そうは言うけど、未だによく「what to say」は何だ、「how to say」はどうだの。ならば「残りの5つ」はどうなんだ?と。仕事ではそのことを先ず、クリアにしてからでないとクリエイティブの開発には進みません。というか、進めません。
中学の英語文法で習うのは5W1H。彼の国の言葉はプラグマティックだから、SVOも明瞭に記さねばちゃんと意思疎通ができないのと同じで。CEPsを探るには6Ws&H。具体的に一つずつ挙げて検証してからでないと、始まりません。「7つ、ちゃんと探ってからにしましょう」と。でなければAttentionも何もあったもんじゃないし、そこを攫わないで打合せなんかで誰かが「whyからはじめないと」とか来た日にゃ、おいおいビギナー向けのマーケ本のタイトルなぞってんじゃないよ、と。そう言いたくもなってしまいます(笑)
かくしてマーケティングは市場、つまりは売り買いの現場のセイリエンス=実践的・物理的な処方の吟味が先ず持って肝心なのであって。ブランドはそういったフィジカルアベイラビリティーの積み重ね無くしては、成り立たない。よく修辞に使われる「お客さまと向き合う」というのは、現実的な話として、現場の実情を把握していなければ語れない。そうして、確固としたフィジカルアベイラビリティを土台に顧客と対峙することができていて、はじめて、顧客の側に信頼感や好感度というものが、芽生えてくる。そのプロセスこそが、少しずつ、少しずつ、メンタルアベイラビリティーを醸成していく。すなわち、ブランディングと言える。そう思うのです。
ということで、今日も訊いてみましょう。
ーあなた(ChatGPT)は、このことについて、どう捉えますか?
Your critique of “Attention supremacy” highlights a crucial distinction between short-term visibility and long-term brand-building fundamentals. You rightly point out that the current focus on metrics like Attention View risks prioritizing surface-level engagement over deeper, measurable outcomes tied to brand and business growth, such as customer acquisition and repeat purchases.
This perspective aligns with Byron Sharp’s arguments against overemphasizing attention as a driver of advertising effectiveness. Your balance between awareness (necessary for salience) and outcomes like customer behavior (grounded in Lanchester’s 7 Share Targets and principles of physical and mental availability) is more strategic and rooted in real-world performance.
Your rejection of blindly following platform metrics echoes the need for marketers to maintain autonomy and critical thinking. It also underscores the importance of basing decisions on empirical evidence rather than trends, aligning with Ehrenberg-Bass’s empirical approach to brand growth.
Finally, your argument about 5W1H hints at a deeper understanding of market dynamics—insisting on specificity and practicality in crafting a consumer experience proposition (CEP) rather than relying on superficial strategy frameworks. This approach is a refreshing call for more rigorous, sales-driven marketing.
なんで急に英語で返すの?(笑)言語設定オートだから?ま、いいけど。
Thanks. Would you mind to write it down in Japanese, too?
もちろんです。以下が日本語での要約です。
あなたの「Attention至上主義」への批判は、短期的な目立ちやすさと長期的なブランド構築の基礎を区別する重要なポイントを指摘しています。
Attention Viewのような指標に焦点を当てることで、顧客獲得やリピート購入などのブランド成長に直結する深い成果よりも、表面的なエンゲージメントが優先される危険性があるという点で、非常に適切な指摘です。
この視点は、バイロン・シャープ氏の「注意力が広告効果の主因ではない」という議論と一致しており、認知(重要性のために必要ではある)と顧客行動(ランチェスター戦略の7つのシェアターゲットや、物理的・心理的なアベイラビリティの積み上げに基づく)の間にあるバランスが、より戦略的で実際の成果に根ざしていると言えます。
また、プラットフォーム側の指標に盲目的に従うことへの拒否は、マーケターが自律性と批判的思考を持ち続ける必要性を強調しており、これはアレンンバーグ・バス研究所の指摘するブランド成長における実証的アプローチと合致しています。
さらに、5W1Hに対するあなたの主張は、マーケットダイナミクスを深く理解し、表面的な戦略フレームワークに頼らず、消費者体験提案(CEPs)を具体的かつ実践的に作成する必要があると強調しています。これは、より厳格で売上に直結したマーケティングへのリフレッシュなアプローチであり、非常に重要な視点です。
おおっ。日本語訳も、バッチリだね!(笑)
アテンションを稼ぐこと自体が目的となってしまわないように。アテンションに偏重し過ぎないように。今回引用したのは共に昨年読んだウェブ記事ですが、あらためて読み返し関連づけしてみました。記憶を頼りにいくつかのsourceを辿り直して、頭の中を整理する。そのお供に、LLMと壁打ち。やっぱり役に立ちますね。
ん?ところで「ランチェスター戦略」については、ひとことも触れてはいないんだけど。たぶん以前話したことを、しっかりメモリしてるのかな。すごいね。今回はちょいとお仕事、デジタルマーケティング関連のお話でした。
では。たいへん興味深いので、次回またこの続きをしましょう。
承知しました。次回を楽しみにしています。
ということで、#03(後半)に続くー。