Switch購入から考えた人間のおもしろさ

GW前に我が家にSwitchが届きました。
息子にほしいと泣きながら言われつつ、なかなか入手できなかったSwitchですが、なんとか購入することができました。
今回はその入手の過程で感じたこと、思ったことを書いてみたいと思います。

ECサイトの抽選販売方式

昨今の社会情勢もあり、ほとんどの企業はSwitchをオンライン販売にします。店舗販売にして大混雑になったらたまったものではありませんので。
しかしながら、オンライン販売も瞬殺で売り切れてしまいます。というのも、Switch入荷情報を速報するTwitterアカウントがあり、「このサイトで販売開始した」とつぶやいた瞬間に、多くのユーザーが殺到します。
何度瞬殺でなくなった瞬間、そしてそれと同時に何度もECサイトダウンのエラー画面を見たことか。

そこで多くのECサイトは抽選販売という形をとります。
アカウントを登録して、抽選に申し込んでくださいねー

私もやりました。みたことも聞いたこともないような地方のショッピングサイトのアカウントも作りました。多分Switch以外、もう二度と訪れないだろな、と思いながら。。

これって不健全ですよね。
きっと転売ヤーの方々は、無数の捨て垢作るでしょう。私みたいな新規アカウントも多々あることでしょう。
メールで宣伝効果?この時代、そういうメールってどれくらい開封されるんでしょう?15%弱ぐらい?そこからどのくらいサイト流入して、コンバージョンするのだろう、、
むしろそんな雑多なアカウント情報ばかり集めて、適切な施策打てるのだろうか、個人情報セキュリティ守りながら管理する維持費だけでも大変そう。。
これってなんか壮大な無駄をしているのでは、、


お得意様を優先するヨドバシカメラ

そんな中、ヨドバシカメラの抽選方式はちょっとおもしろいなと思いました。
https://news.livedoor.com/article/detail/18185570/
いくつかの抽選を申し込むための条件があるのですが、その中の一つが
「2019年4月1日~2020年3月31日の期間に同ECサイトで購入履歴があること」。
つまり、「過去に購入履歴がある」ということ。これは今となったらどうしようもありません。転売ヤーもきっとどうしようもないでしょう。
ヨドバシにとってもお得意様を優先できるし、顧客側も「あ、ヨドバシで買っててよかった」と思うことでしょうし、きっと顧客満足度も上がることでしょう。

うまい作戦だなと思います。

このヨドバシカメラの作戦を見て思うことは、
「人は期待していたこと以上の意外な恩恵をうけると、その対象への好感度が急上昇する」
「好感度があがることで期待値があがり、その対象へのアクションが継続する」
ということです。
ヨドバシで買ってたから申し込めるプレミアム権利。当選したらなおさらでしょう。過去に買ったときは思ってもいなかったけれど、今回申し込みができたことで、「次もあるかもしれない」と期待値は上がり、またヨドバシから購入の選択をする人も多いのではないかと思います。


韓国のクレジットカード普及率を向上した理由

そんなことを思いながら2つのことを思い出しました。
1つ目は「韓国はなぜキャッシュレスが進んでいるのか」ということ。
いろいろな理由があると思うのですが、その中の一つに「1000円以上のお買い物でクレジットカードを使うと、レシートに宝くじの抽選番号が付与され、実質無料で宝くじに参加できる」という政策があります。
https://paypay.ne.jp/store-media/knowledge/0025_kankoku/
カードを使うことへの期待は支払いができること、だと思います。そこに宝くじに当たるかも、という期待以上の恩恵があることで、強いインセンティブになるということです。買い物をしてカードを使うと、後で宝くじが当たるかもしれない。これって大きい。

これに似たようなことは、なんとかPayの抽選ポイント還元も同じですね。昔よくあった、ビックカメラの「100名に1名、お会計が無料」キャンペーンも一緒だと思います。


海外大手カード会社の施策

二つ目は、昔、海外のお客様と会話したときに聞いた話なのですが、クレジットカードをユーザーが使ったときに、抽選方式でクレジットカード会社が一部を負担し、レシートの合計額からその分そっと値引きする、というキャンペーンをやったそうです。
「合計金額はこちらです」
「?この割引金額は何?」
「XXクレジットカード会社からのプレゼントです」
これにより、このクレジットカード会社の利用率は急上昇。しかも事前に告知せずそっと、ゲリラ的に行ったことで「次いつあるかわからない」という期待値があがり、それが故に次回もカードを使ってしまう、という人が続出。人間の心理をついたキャンペーンで、その後広告やキャンペーンをしなくてもその期待値で利用率があがった、とのことでした。
彼らは「これからはビッグデータとナッジの時代だ」と強く私にいってたのを思い出します


そんなこんだで入手したSwitchで遊ぶ息子を見ながら、そんなことを思い出し、人間っておもしろいなって思うのです。
お金を使うのでなくて、知恵を使う。人間の心理をうまく使う。
これからはもっとそんな、行動経済学をうまく使った施策が求められていくのでしょうね。

て思いながらSwitchをやってみると、Switchもまた、ほんとうまくできてるなあと。それもまたいつか書いてみたいと思います。

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