見出し画像

負けないということ


Stay Homeだから、でもないのですが、今年からチェスを息子と始めてます。
将棋は子供のころからやっているのですが、チェスは初めて。
英語が話せなくても世界の人と楽しめるのでは、ということで始めました。

将棋と似たようなルールでしょ、と思っていたのですが、大きく2つの点が異なることがわかりました。
・一度とった敵駒を自駒として再利用することはできない
・引き分けがある
自分としては特に2点目が意外で、しかもやってみると結構引き分けになることに気付かされます。

ゲームをしていて、明らかなターニングポイントがあることに気づきます。
攻めていて、突然「あ、負けるかも」と思ったところで、「 負けないように」戦略を変更する。


そんなことを繰り返しながらこんなことに気付かされます。
「負けないということも、一つの戦略であるということ」
「そして勝負という場において、その戦略はかなり重要であること」

なので、戦っている息子にも、明らかに負けそうな局面になってくると
「負けるな、負けないようにはどうすればいいのか考えろ」と声をかけます。


思えば「勝ち負け」とは何でしょう。
確かにその場、その瞬間では「勝ち負け」が存在するのだけれど、それは本当に「勝ち」であり「負け」なんでしょうか。
時間軸を変えてみると実は「負け」たほうが「勝ち」にはなることもきっと、いや多々ありあます。
絶対にそれは「負け」とは、なかなか決めづらいのものです。


ふと考えてみると、日常生活、特にビジネスにおいては、勝ち負けで決まることが本当に多いことに気付かされます。
受注すればWinといいますし、失注したらLostといいます。
いつも競合に勝つには、の情報を求めています。
Win Storyが多く共有されます。
必然的に「勝つか負けるか」の二択で考えてしまう日々の中で、「勝つためには」「勝つこと」にどうしても注力しがちです。

でも実際には「実際に負けたこと」から「なぜ負けたのか」、そして「負けないためには」の視点から考えてみることのほうがはるかに重要なのではと考えています。
むしろその視点で考えてみると実はやることは大きく変わる、新たなことに気づく。


勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし

チェスを通じてこのような考え方をしたときに、ふと思い出したのが、
故野村克也氏が好んだという「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」という言葉です。

負けるときは負けるべくして負けている、負けには必ず負ける理由がある
その負けの理由を見つけ対応すれば、負ける確率が減っていく。
負けないようにしているうちに、必ず相手にスキが生まれる、そこにチャンスがうまれる

弱者が強者に立ち向かうときに、特に求められる考え方ではないでしょうか。普通に戦えば負ける、勝つことは難しい。だからこそ、負けないためには何をすればいいのか考えてみる。負けないことは、強者にとってとても脅威なことだと思うのです。


今こそ、求められる負けない気持ち

全世界が見えない敵と戦い、いつまで続くのか先が不透明な今、求められるのはこの「負けない」という気持ちだと思っています。
というか、凡人の私には「負けない」ということしかできません。
だからStay Homeで「負けない」ようにしています。


「負けないということ」
その大切さを改めて感じる日々です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?