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美ら海水族館から見える「帽子の形」をした島ってどんなところ!?伊江島の魅力に迫る!

沖縄本島北部、年間を通して多くの観光客が訪れる「美ら海水族館」。その正面入り口から見ると海の上に「帽子の形」をした島が浮かんでいることに気づく人が多いのではないか。それが「伊江島」である。今回は伊江島の産地訪問の記録とその魅力について語る。

そもそも伊江島ってどんなところ!?

沖縄本島からフェリーで30分

今回、訪問したのは2023年4月17日㈪。飛行機で那覇空港に到着しレンタカーを借りて北へ。高速道路に乗って終点まで走り、名護市内を通り抜けて美ら海水族館のある本部町へ向かうと海岸線沿いに本部港がある。伊江島へは本部港からフェリーで30分で行ける。
※フェリーは「いえしま」と「ぐすく」の2つがあり、この日は「ぐすく」に乗って伊江島へ向かった。

本部港からフェリーで伊江島へ

フェリーの中は広く、テーブル席もある。しかし、せっかくなので外で本部港を出港する様子などを見るのがオススメ。出発して少しすると正面に伊江島が見えてくる。本当に帽子のような形をしていて伊江島が「帽子島」と呼ばれるのも納得。

本当に麦わら帽子のような形をしている

第二次世界大戦中の傷跡が今も残る

伊江島は第二次世界大戦中、米軍が上陸して戦場となった島でもある。当時伊江島に残っていた3,000人のうち半分の1,500人が命を落としたとも言われている。また、島内には当時のまま残されている「公益質屋跡」や集団自決の場となった「アハシャガマ」などが残存しており、歴史から見ても日本にとって忘れてはいけない島である。

島内には沢山の観光名所がある

伊江島に着くと島民の方々全員が「おかえりなさい」と温かく出迎えてくれる。港の向かい側には「TM.planning」というレンタサイクルがあり、ここで自動車、バイク、自転車を借りて島内を散策する人が多い。今回、我々は車で島内を案内してもらった。

伊江島のシンボル「伊江島たっちゅー」

まず向かったのが遠くから見た帽子の「頭」の部分。その正体は「城山」。「伊江島タッチュー」とも呼ばれ島のシンボルにもなっている。山の中腹までは車で行くことができ、島全体が一望できる。

城山:伊江島たっちゅー

ちなみにこの山は、プレートの移動による圧力で隆起した層が泥層と琉球石灰岩を突き破って形成されていて(オフスクレープ現象)、この地質現象を見ることができるのは世界中で伊江島だけと言われている貴重な山らしい。

春には3万人が訪れる「リリーフィールド公園」

次に向かったのが島の北東部にある「リリーフィールド公園」。「リリー=ゆり」の名前の通り、ゴールデンウイーク前後には伊江島の一大イベントでもあり、約3万人が島外から来場する「伊江島ゆり祭り」が開催される(今年の開催は4月22日㈯~5月7日㈰まで)。今回は直前ということもあり初めて見ることができた。

公園一面にゆりの花が咲き乱れる「伊江島ゆり祭り」

島民の生活を支えた「湧出」

「リリーフィールド公園」から西へ向かい島のちょうど北側に展望台「湧出(わじぃ)がある。この崖の下の場所は地下から「水が湧き出てる」ことがこの場所の由来であり、昔の人達はこの場所に毎日水を汲みに来たらしい。上から見ると断崖絶壁であり、島の北西側からぐるっと回らないと下に降りられず、当時の人達の苦労は相当なものであったはず。

展望台にもなっているここからの景色は最高。西側は先述した下に降りる道路が見え、東側は断崖絶壁の海岸線が続く。また、島の北側の海には冬から春の間はくじらが現れるようで「ホエールウォッチング」も人気。

崖の上から見渡す景色は絶景

観光名所だけでなく様々なアクティビティも

他にも島の南側には子宝祈願のビジル石で知られる聖地「ニャティヤ洞」、島の東側には白い砂浜で海水浴やビーチバレーなどが楽しめる「伊江村青少年旅行村」、さらには「ハイビスカス園」や「パークゴルフ場」などもある。

また、沖縄と言えばマリンスポーツをイメージする人も多いのでは?もちろん、伊江島でも海に囲まれているのでマリンスポーツも人気。マリンジェットやバナナボート、スノーケリングなど様々なアクティビティが楽しめる。

伊江島マップ

伊江島は農林漁業も盛んな島

ここからがいよいよ本題。伊江島は観光だけではなく、農林漁業も盛んな島である。島の約半分が耕作面積であり、特に電照菊は県内でも3本の指に入る生産地となっている。その他にも、さとうきび、葉たばこ、冬瓜、落花生、紅芋などの農産物が栽培されている。

また、畜産でも子牛の生産拠点に指定されており、水産業では四方が海に囲まれていることもあり、ソデイカやまぐろ類の漁獲、またもずくやミーバイの養殖も行われている。

琉球王朝時代から伝わる小麦文化

今回の訪問の目的でもあり、島内をアテンドしてくださったのが株式会社いえじま家族の玉城堅徳社長。いえじま家族は伊江島で小麦を生産してお菓子や麺に加工する6次産業化に取り組んでいる。

なんでも伊江島は、琉球王朝時代は小麦の一大産地であったが、さとうきびのへの転作奨励などもあって生産する農家がいなくなった。いえじま家族は、その伊江島に自生した在来小麦「江島神力」の復活を目指すべく立ち上がった。

今回、伊江島では小麦の製粉工場を見学させてもらい、翌日には名護市にある加工工場を見学させてもらった。特に、伊江島産小麦の全粒粉で作った麺は本当に美味しいので沖縄そばとして是非食べて欲しい。
また近年、いえじま家族では大麦の生産も始めており、オリオンビールにも伊江島産大麦として使用されている。

いえじま家族による小麦の6次産業化

伊江島で食べる郷土料理も魅力の一つ

農林漁業が盛んな伊江島は、当然食事も美味しくないわけがない。伊江島の夜は、沖縄本島のホテルで料理長を務めた大将が経営する居酒屋「ふばがさ」で懇親会。※「ふば笠」は沖縄の伝統的な民具「クバ笠」の伊江島での方言とのこと。

このお店では、「まーな(菜の花)」を麺に練り込んだ「まーなそば」や「琉球蛇貝(リュウキュウヘビガイ)」などの郷土料理が味わえる。特に「琉球蛇貝」は伊江島ではここでしか食べられないほど貴重な珍味。泡盛を片手に食べる郷土料理は最高としか言いようがない。

その土地ならではの郷土料理も魅力

地域の魅力を五感で堪能して欲しい

いかがだっただろうか?日本には北から南まで含めて本州から沖縄本島を除いて14,120の離島がある。一言で「離島」と括ってしまうのは簡単だが、それぞれの離島に生活があり、島ごとに伝統・文化も異なる。

今回訪問した伊江島は、沖縄本島からフェリーで30分(往復でも1時間)で手軽に行くことができる。島内をぐるっと一周しながら観光を楽しみつつ、かつ文化や歴史、そして何より現地の人達を触れ合いながら農林漁業と食を体験してみて欲しい。

「伊江島=いいね島」!?

※いえじま家族んお情報

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仲野真人
「農林漁業を夢のある食産業へ創造する」というミッションを実現するために活動を続けております!何卒よろしくお願い申し上げますm(_ _)m