資格マスターは一日にしてならず!積み重ねこそがスーパーハケンを創る!!
2019年4月に野村證券を辞めて㈱食農夢創を設立し、現在は農林漁業分野のコンサルティングや農業法人の経営支援を行っている。一人社長として生き抜けている理由の一つが「役職・資格」であると考えている。今回はその「役職・資格」関して自由気ままに述べてみたい。
農林漁業・食分野で積み上げてきた役職・資格
・6次産業化中央サポートセンター登録6次産業化エグゼクティブプランナー
・国家戦略・プロフェッショナル検定 食の6次産業化プロデューサー LEVEL4
・日本政策金融公庫 上級農業経営アドバイザー試験 合格者
・日本政策金融公庫 水産業経営アドバイザー試験 合格者
・日本政策金融公庫 林業経営アドバイザー試験 合格者
・中小企業庁 ミラサポ 専門家登録
・日本GAP協会認定 JGAP指導員
・日本HACCPトレーニングセンター認定 HACCPコーディネーター
・MHC認定ローカルハラル管理者(MHC Certified Local Halal Manager)
・食農体験ネットワーク協議会認定 食農体験ソムリエ
上記が現在の役職やこれまでに取得した資格の一部である。農林漁業と食分野でこれほど多岐に渡って資格を持っている人間はそうはいないだろう。また、6次産業化エグゼクティブプランナーは昨年度から新設され、初年度選ばれたのは7名。上級農業経営アドバイザー試験、水産業経営アドバイザー試験、林業経営アドバイザー試験の3試験に合格したのは史上初である。
間違えて欲しくないのは、ここで役職や資格自慢をしたいわけではない。これだけの資格を1年で取得したら確かにスゴイと思う。しかし、私は前職で野村證券から野村アグリプランニングに真っ白な状態で2011年に出向してから1年に1~2を勉強がてら取得した積み重ねであり、誰でもやろうと思えばできると考えている。
自己研鑽のためなら自腹でも通う
「どうせ会社の経費で行ったんだろ?」と思う人もいるかもしれない。確かに前職からお金を出してもらって取得したものもあるのは否定しない。それはあくまで結果論。前職の社長に直談判し、「ダメ」と言われれば有給休暇を使って通い、研修費は自腹でも通った。
特にイスラム教徒の「ハラール」に関する研修は2回とも会社からOKが出なかったので自腹(約8万円)かけて通った。決して安い買い物ではない。しかし、当時の私はそのお金を払ってでもその知識が必要だと思った。
インプットしたらすぐにアウトプット
研修を受ければ知識は身に着くが残念ながら時間が経つと忘れてしまうものだ。そのため、私はインプットしたことをすぐにアウトプットするように心がけた。
具体的には、前述したハラールについては自腹で通ったにもかかわらず、学んだことに加え自分の意見と取りまとめて前職の肩書でレポートを執筆している。
拡大する「ハラルマーケット」と「ハラル認証」の可能性
自分の整理にもなるし、レポートを執筆すれば自分の名前がアピールできるうえに「仲野はハラールに詳しい」と世間にアピールできるのでまさに一石二鳥にも三鳥にもなるのである。
まずは取って(やってみて)から言え!
資格の話をすると「資格を取る奴は自分に自信がない」とか「資格だけ持っても能力がないと意味がない」と嫌味を言う人が必ず出てくる。しかし、私はそいつらに言いたい。まずは「その資格を取ってから言え!」と。
資格はあくまで資格である。私も資格を取って給料が上がったことはない。しかし、その分野や特定の知識・ノウハウを勉強した証明が資格ではないだろうか。それをアピールするかしないかはその人次第である。
それは役職も同じである。6次産業化エグゼクティブプランナーになる前に6次産業化プランナーに登録していた。プランナーについても賛否両論があるが、私は「まずはやってみないとどういうものかわからない」と思い、前職では上司に頼んで6次産業化プランナーに登録させてもらった。
でも、そのおかげで独立直後に新設された農林水産省の「6次産業化エグゼクティブプランナー」として7名のうちの1名選定してもらえたことで箔もついた。まずはなってみて、自分にとってメリットがなければ辞めたら良い。やってもいないのに、否定だけしても自分の価値を下げるだけだと思う。
自分を知らない人が自分を判断する基準は?
かく言う私も「資格マニア」と嫌味を言われることが嫌で、独立した当初は役職や資格を出さずに「代表取締役」という肩書だけで約1年活動していた。
そんな時、久しぶりに展示会で農業法人の経営者の方にお会いして名刺交換をした際に、「あれ?いろいろ資格とか持ってなかったっけ?」と言われた。「いや、社長なので役職とか資格はいらないかと思いまして。」と答えたら次のように言われた。
「せっかく資格をとったんだからアピールをした方が良い。役職も君が認められた証でしょ。君は誰に名刺を渡すの?君のことを知っている人には渡さないでしょ?君のことを知らない人に渡すんだからしっかりとアピールしないと相手に伝わらないよ」
まさにその通りだと思った。私のことを知らない人に会社名と肩書だけの名刺を渡すと必ず「どういうことをされているのですか?」と聞かれた。自分の場合も名刺だけ見ても「この人何をしてる人だっけ?」と忘れていることの方が多い。
逆に言えば、私のような一人社長に対して私のことを知らない人は、役職や資格で判断するしかない。だからこそ、資格がないよりはあった方が良いし、せっかく資格を取ったならアピールしないともったいないと思う。
それを言われた直後に名刺を刷新した。今の私の名刺は見開きになっており、顔写真に加え役職や資格も載せている。しかし、新しい名刺が出来上がったのが3月。その頃から新型コロナウイルスによって人と会うことが極端に減ったので名刺を配る機会がないというオチが・・・(笑)
目指すはスーパーハケンの大前春子
ちょうど今、ドラマで篠原涼子主演の「ハケンの品格」が放送されている。様々な資格を持った大前春子がスーパーハケンとして会社を改革していくのは見ていて面白い。
私は農林漁業と食の分野で生きていくことを選んだ。農林漁業と一言で言っても、農業、漁業、林業、畜産業と幅広く、品目ごとにさらに細分化される。さらに食となると無限に広がっていく。そして、特に農林漁業にはコンサルタントやアドバイザーと名乗る海の者とも山の者ともわからない人々がひしめいているのも確かである。
その中で一人社長としてどう生きていくためにはオンリーワンのスペシャリストになるしかない。ニッチでありつつも幅広い知識が求められる食と農林漁業分野において、これからも地道にそしてどん欲に資格を取得していき、大前春子のように農林漁業分野を改革していきたい。