STREET FASION IS DEAD
実は僕、ストリートダンサーです。
とは言っても趣味でやっている程度の実力なので、スクールの先生やアーテイストのバックダンサーなど、お仕事としてやっているわけではありません。ただ、がっつりダンスを仕事としてやっている人たちに混ざって練習をしたり、一緒に遊んだりすることが多かったので、いろんなお話を聞くことがありました。因みに、僕のダンススタイルは"POPPING"というスタイルで、皆さんが知っている人だどオリラジのあっちゃんの弟さん、FISHBOYさんがやっているスタイルです。
さて、そのストリートダンサーの人たちが着ている服。ラッパーの着ている服。スケーターが着ている服。総じてストリートファッションと言われることが多いですが、ここ3〜4年そのストリートファッションがモードの世界でパンデミックを起こし続けています。キムジョーンズが2011年にルイヴィトンのメンズ部門でクリエイティブディレクターに就任し、ストリートファッションの風をモードに吹き込みました。
つい先日、東京でキムジョーンズ率いるDIORの2019 pre fallのショーが開催されました。今回はアーティストの空山 基さんをデザインソースにしたコレクションで話題になりました。ステージ中央のロボットのモニュメントがかなりパンチがありましたね。彼のクリエイションはデザイナー同士のコラボレーションが光るコレクションが多く見られます。ルイヴィトン時代もFRAGMENTやSUPREME等で喝采を浴びております。しかしキムジョーンズ本人はSUPREMEとのコラボレーションは予定していなかったそうです。本人から聞いた方に教えていただいた話なので間違い無いでしょう。LVMH側が会社の方針として企画をしたのが本筋という、なんともむつかしい政治がらみの匂いが。。。会社として利益第一に考えなくてはならない現状は、世の中仕方のないことかもしれません。
SUPREMEがルイヴィトンとコラボレーションしたことにより、巷ではこんなことが呟かれました。
「STREET FASHION IS DEAD」
ストリートファッションがパリのラグジュアリーブランドに取り込まれてしまい、ストリートの反骨精神が削がれてしまった。
ストリートファッションがトップブランドと対等に扱われるという賞賛を浴びながら、影ではストリート精神を踏みにじられたという気持ちを抱いた方もいるようです。
ここ最近はOFF WHITEのVirgil Ablohがルイヴィトンに就任したり、VETEMENTSのDemna GvasaliaがBALENCIAGAに就任したりと、ストリート畑で育ったデザイナーがラグジュアリーブランドで舵取りを行う光景が多く見られます。(Demnaに関してはアントワープ卒でマルジェラやルイヴィトンでアシスタントをしているため一概には言えませんが)単純にストリートファッションが流行っているという理由で片付けられるものではなく、モードを牽引しているブランド側の思惑がかなり詰め込まれている現状があります。正直な感想を述べると、ストリートが消費されてしまっている感が否めません。貪欲なまでにラグジュアリーブランドがストリートを貪り尽くす光景はいつまで続くのか。これからの動向を見守っていきたいと思います。
写真 : 2018年9月 Fabre's look撮影にて http://boysbe.theshop.jp/