理系の僕がデザイナーになるためにしたこと。
理系が考えるデザイン
大学では航空宇宙工学を選考し、初めてのアルバイトでは、セキュリティソフトウェアの開発アシスタントをしていた僕は今、webベンチャーのデザインを統括する立場として働いています。
バリバリの理系だった僕がデザインで食べさせていただいている…
自分でも信じられず、また、ありがたいことです。
そんな自分のデザインとの付き合い方が、ひょっとしたら誰かの役に立つのではないかと思い、本記事を投稿しました。
なるべく再現性の高い記述を心がけましたが、芸大も何も出てないような人間の言うことですので、参考程度にふーんと思っていただけると助かります。
本記事がデザインに悩む人にとって多少なりとも力になれれば幸いです。
デザインセンスなんてない僕の戦い方
デザイナーには何が必要か?
多くの人がデザイナーは凄くセンスがあって、芸大とかでてて…そんなイメージがあるかと思います。僕もそうでした。
ではデザインセンスがないとデザイナーにはなれないのか?
この点に関しては自信を持ってNOと言えます。僕自身が反例です。
僕のスタート地点はまず、「あぁ、自分にはデザインセンスはないんだな」と、自覚したところからでした。
かっこいい?かわいい?ってなんだ?
デザインセンスがないことを自覚すると、
「○○なデザインを作ってほしい。」
と言われた際に「自分のセンスで作る」という選択肢がなくなります。
何せ自分にはデザインセンスはないのです。別の戦い方が必要になります。
そもそも、あるサイトやデザインを見て、「かっこいい」や「かわいい」という感情が起きるのは、一体なぜでしょうか?
私は極論ですが、
「昔に見たかっこいい、かわいい」に似たデザインだったから
だと思っています。
鶏が先か、卵が先かに近い議論ですが、
デザインから受ける印象は、一部を除いて、後天的に備わったものです。
例えば、黒い背景に大きなマンションがスゥっと浮き上がっているようなデザインを見たときに多くの人は、
「ああ、分譲マンションの広告だな」
とわかるはずです。これも、昔見た分譲マンションの広告から学習した結果で後天的なものです。
ではどうすれば「昔見たかっこいい、かわいいデザイン」に似るのか。
この段階で、なんとなく感覚でやろうとすると、無いセンスに苦しむことになるので、デザインを細かな要素に分けて分析することが重要になります。
デザインを因数分解する。
実はデザインも、プログラムのように基本的な機能を果たす細かな要素からなっており、それらがうまくかみ合うことで、かっこいいやかわいいをという最終的な結果を出力しています。そのため、全体を見るよりも、各要素レベルで分析する方が簡単です。デザインは大きく、
配色
テキスト
画像
レイアウト
アニメーション
で構成されています。それぞれ一つに絞って、かっこいいならかっこいい。かわいいならかわいいでサイトやデザインを見てみると、比較的簡単に法則性が見いだせます。
例えば、配色に絞って見れば、かっこいいサイトにピンクはあまりないでしょうし、かわいいサイトに紺色もあまり見ません。
この「ある程度の法則性」が見えると、自分が作りたい、与えたいイメージに対し、これはやらない方がいい。が見えてきます。
こうすることで真っ白なキャンパスの中にも、定石というか、ある程度のルールが生まれるわけです。
このルールの中で、各要素を組み合わせていきます。参考にしているデザインとすべての要素を同じにすると当然丸パクリになってしまうので、そのデザインのどの要素が重要なのかを見極め、表現したいイメージに組み込むことで、共通の因数が多くなり、「似た」印象を与えることが可能です。
デザインという情報伝達手段
デザインセンスのない僕たちがデザイナーになるには、いろんな要素がデザイン上でどういう役割を果たすのか?を分析しなければいけません。
そのためにも、これいいなと思ったデザインはぜひ、そのまま再現してみてください。これは本当に厳密に、フォントの大きさ、余白の取り方を1px単位で完全再現してみてください。
それをいくつかこなしてみると。
「ここはこういう意図でこのデザインにしたのか」や
「こういう要素の見せ方にすれば、こういう役割になるのか」など
デザインした人がその要素を配置した意図が見えてきます
そういったデザイン上での言語、情報伝達ができるようになると、デザインセンスに頼らずにデザインを作成することができるようになります。
この要素から逆算でデザインを構築していく手法は感覚的にはプログラミングに近いデザイン手法だと思っています。おそらく、理系の方のほうが慣れ親しみやすいのではないでしょうか。
かなり駆け足でしたが、本投稿が、少しでもデザインに悩む方へのお力になれれば幸いです。
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