「ワークショップとは、心の探検の場」
この度、多様な主体者どうしの共創による価値創造の知見を深めたいと思い受講をした「青山学院大学ワークショップデザイナー(WSD)育成プログラム」を修了しました。ワークショップデザイナー(WSD)は、ワークショップの理論と実践を体系的に学ぶ、4ヶ月間、120時間のプログラムです。最後のレポート課題である、ワークショップデザイナーとして、ワークショップを知らない人に向けて「ワークショップとは何か」を説明してください。という課題を、「地域の子ども」向けに書きましたので、全国の「地域の子ども」にも届いて欲しいので、noteにも投稿します。
「ワークショップとは、心の探検の場」
総合的な学習の時間が学校で始まって25年が経ちました。
問題に対して、九九に答える様に早く正確に答える勉強とは違う教育が始まりました。身の回りにある問題や疑問に思うことを、自分で見つけ出し、それについて学び考え、自分自身の答えを発見する。できることなら仲間と一緒に実際に行動してみる。出された問題に素早く正確に答えるだけの勉強ならば、学校の中だけでできます。しかし自分で問題を見つけ出し、それを学び答えを発見する総合的な学習では、学校の中だけでは問題や答えは見つかりません。問題に関係している人や、問題が起こっていると思う場所に実際に出かけていき、くわしく話を聴いたり見てみないと、本当のことはよくわかりません。実際に話を聴いて自分の想像と比べたり、わからないことをもっと聞いてみたり、調べてみたりすることで、自分自身の本当の答えに近づいていきます。
わからないことや、問題だと思うことを、関係する人たちや仲間と一緒に見つけだし、考えていく時に役に立つものが、ワークショップです。
ワークショップという言葉を初めて聞く人もいるかもしれません。英語のもともとの意味は、「仕事場」や「作業場」という意味です。仕事”場”、作業”場”と、どうやら場所のことを指す言葉なんですが、では、どの様な場所なのでしょうか。どんな仕事や、作業をする所なのでしょうか。仕事や、作業には目的があります。そしてその目的のために集まる参加者もいます。このワークショップを説明する時に、わかりやすく伝えるための三つの要素があります。
①やりかた(方法)
②目的
③仕組み(構造)
①やりかた(方法)は、授業のような、一方向にものごとを教える形ではなく、参加者が自分から参加し体験して、一緒に何かを学び合ったり、創り出したりする、学びと創造の形をしています。
次に②目的ですが、一緒に問題に関わる仲間を作るために、相手のことを理解してお互いに納得できるものを一緒に見つけるためにワークショップを行います。
最後にワークショップの③仕組み(構造)ですが、「〇〇を創ることで、〇〇を学ぶ」という大きな仕組みがあります。
あっそれならば、やったことがあると思った方も多いかもしれません。
実際にグループを作って、皆で作業をしたり、考えたり、何かを創るなかで、どういうことが起こったでしょうか。自分自身が想像していなかった考えに出会ったり、新しいことを知ったり、新しい考えが生まれてきたり、皆で想像もしていなかったものを創ることができたのではないでしょうか。新しい考えを生み出したり、次にやってみたいことを見つけたり、皆の考えをまとめ、何かを作り上げていくなかで、自分自身で大きな満足感や、仲間の意識を強く感じた方もいるかもしれません。
皆はお友達と、知らない場所に行ってみたり、大人に内緒で自分達だけの遊び場を見つけたり、新しいルールを決めたりと、色々な探検をしているんじゃないかなと思います。
今、社会の中には、このような探検をする人が不足しています。学校で習ったことだけで、問題を解決しようとしてもなかなかうまくはいきません。世の中は、乗り物が早くなり、ネットを介して情報は速く大量に行き来し、どんどん複雑になっています。複雑になるにつれ、問題を解決するスピードが、問題が生まれるスピードに追い越されてしまいました。昔に習ったことだけでは、このスピードに追いつけずに、新しい武器をもった援軍がもっと必要な状況です。ワークショップはこの新しい武器になる場所です。
どうぞ探検をやめないでください。
仲間を見つけて、ものを創り出してください。その探検の様な時間が、新しい武器となり今後皆さんの、皆さんたちのための未来を作り、問題の数を減らしていきます。今後皆が生きていくなかで、問題が生まれるスピードに追い越されそうになった時は、このワークショップのことを思い出してください。
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