不倫のその後

僕は今から5年前まで、妻と子を持つ身ながら不倫をしていました。相手は同じ職場の同じく家庭を持つ女性でした。

僕の一目惚れでした。メアドを教えてもらって、ドキドキしながらメールを打って。そんなやりとりをしていくうちに相手の女性も僕を好きになってくれて、それがどんどんエスカレートしていき、一年365日うち300日は毎日愛を確かめ合っていました。

互いの家に行き、また職場でも周りの目を気にせずイチャイチャと。それぞれの家族よりも大切な存在だと、その時は思っていたと思います。それだけ愛し愛されていました。

しかし、僕の言動がおかしいと思っていた妻は、僕の携帯を見て不倫の事実をしってしまったのです。そんな状態でも、大泣きする妻に「別れよう」と最低な言葉を発してしまいました。

妻は「絶対に別れない」と深夜にも関わらず実家へ。翌日、彼女に不倫がバレた事を伝えると「あなたが決めた通りにする。別れたくはない」と。僕は離婚して1人になると。そして君とこれからも一緒にいたい、と伝えました。

しかしながら、そんな事が簡単に進む事ではなく、義母からの電話で「お願いだから娘と子供を手放さないでくれ」と連絡があった時、彼女と相談し家庭は取り敢えず守る形でいこうと言う結論に達しました。彼女も家庭も手放したくなかったんだと思います。本当、最低な男ですよね。でもそんな事があっても、この関係を終わらせたくなかったんです。

そんな事があったにも関わらず、僕も彼女の絆は解けることはありませんでした。むしろ激しくなっていったと記憶しています。泊まりの旅行にも行きました。いろんな思い出を作りました。カメラが趣味な僕は、何千枚と彼女の写真を撮りました。今も職場のロッカーにアルバムがあります。

おじいちゃん、おばあちゃんになっても手を繋いで歩いていきたいね。と言った彼女の言葉は今も忘れません。僕は僕の人生を恨みました。どうして、彼女ともっと早くにであえなかったのかと。

でも、過去に戻れる訳もなく今を生きるしかなかったのです。妻と子を裏切り続けながら生きていくには、限界があるし、やはり申し訳なさもあるし。かといって彼女は手放したくないし。

出会わなければ良かった、メアドを聞かなければ良かった、好きにならなければ良かった。自問自答の日々を送りました。

2015年の,夏。彼女から娘の夏休みがあるから会う時間が取れないと言われました。あれだけ毎日会ってたのに、何故かなと言う疑問ともしかして悪い流れになっているんじゃないかなと思いました。その間、メールでの「愛してる」のやりとりは夏休みが終わる31日まで続いていました。ただ僕の中のなんとも言えない不安感は、その日までありました。

すして、夏休み明け9月1日がやってきたのです。ショッピングセンターの駐車場で待ち合わせ。久しぶりに顔を合わせた僕は、一瞬で彼女が何を考えてるかが分かりました。とりあえずラブホテルにいって、行為の前に話があると。将来を考えると、やはりこのまま生きて行く自信がないと。僕は、何故か冷静に「そんな事をあえない間考えてたんだね。顔を見た瞬間分かったよ。うん、お別れしよう。」と自分でも冷静なくらいの返事をしました。泣く彼女を抱きしめて、何も言わずにただ抱きしめていました。

別れの時。いろいろあった思い出話でもしようかと思いましたが、その時には僕も頭の整理ができない状態になっていました。30分ほど車で抱きしめ合い、別れを惜しみました。「じゃあ、行くね。これからもずっと、ずっと愛してるよ」互いの心を確かめ合い、彼女は僕の前から姿を消しました。

以前、別れ話になった時、取り乱した僕が今回の本当にラストな時に、ある程度冷静でいられた事にその時は全く気にも止めませんでした。これからは、家族しかいないんだ。不幸せをさせた分、取り戻さなきゃと。

しかし、やっぱりやってきました。絶望と憂鬱感、失望感。それも最大級なものが。息ができないんです。苦しくて苦しくて。仕事にもならない、家庭でも大泣きしてしまう。妻に本当の事言えないし、彼女にも連絡するべきじゃないし。本当に気が狂いそうでした。

翌日が休みの日だったので。ひとりリビングで休んでると、やってきました強烈なな奴が。これはもう病院しかないと、心療内科に片っ端から電話。唯一ゆっくり来てくださいね。と言う病院が。とりあえず、人に逢いたいはなしをきいてもらいたいと、大急ぎで病院へ。診察室に入ると大号泣。待ってる他の患者さんもびっくりしただろうな。話して行くうちになんとなく楽になっていきました。お薬を処方していただき、なんとか帰路につきました。

しばらくは1人になると泣いてばかりでしたが、薬があるんだと言う思い出なんとか日常生活を送れるようになりました。

ちょうど4年の付き合いでしたが、今までの人生で1番幸せだった時間だったと思います。こんな事が許されないのは百も承知です。家族を蔑ろにして、自分の理性だけで行動して。本当最低な男です。僕が全て悪いんです。彼女はわるくありません。僕なんです、原因は。

なぜ、ふとこんな文書を書くことを思いだったかと言うと、彼女の娘さんが今日新成人になったからなんです。あの頃はまだ小学生だったのに、もう20歳かと。

そんな事を考えてたら、娘さんの人生のうち4年間は僕が邪魔をしてたのかなと、申し訳なく思ったからです。

今が幸せなら、それでいい。僕は毎日、心の中であなたの幸せを祈ってるよ。長いようで短かったけど、ステキな夢を見させてくれました。今でも心から愛してる。

最後に。世間から見たら僕たちの行動は、卑劣極まりないものだと思います。僕も以前はそう思っていました。

でも本当に突然なんです。皆さんの心の奥底にそんな感情が眠っているかもしれません。

ただ、不貞行為を働いた僕からすれば、不倫はやっぱりやめたほうが良いと思います。ハッピーエンドは必ずありません。共に過去をふりかえり、涙し後悔するだけです。

僕の最低な過去を綴ってきましたが、みなさんは後悔の無い人生を是非歩んでください。