平日半休&有給、小田原へ非日常の旅
平日15時まで在宅勤務をして、東海道線で1時間、海と歴史の交差する街、小田原へ。
16:14 川崎駅発。
17:26 小田原駅着。
早速ビールを飲みたくなり、駅前のお寿司屋さん天史郎さんへ。6席のカウンターはこの時間でも5席が埋まってました。地場のお寿司(2,400円)を注文。畳2畳くらいの板場でテキパキ握る職人さん2人。
ビールを飲みながら待つこと、30分ほどで到着。鯛、イカ、光物、マグロの巻物など地元の魚を満喫。特に酒盗の巻物が初めてで、美味しかった。新鮮な海の幸という非日常を堪能。
今回はドミトリーのグッドトリップへ。元写真家の中村力也さんが2017年に旧歓楽街の小田原市の宮小路でオープンさせたバー併設のゲストハウス。
地元の人と旅人をつなぐ場。そのコンセプトどおり、宿前のスペースに座っていたルーさんと言うフランスの女性バックパッカーと会話。
6カ月の間、東南アジアや東アジアを旅しているとのこと。江ノ島や富士吉田から、美しい富士山の写真を見せてもらいました。外国人の切り取る日本も素敵だなぁと思いました。ルーさんとの会話で海外のバックパッカー気分の非日常を楽しめた。
しばらく会話を楽しんだあと、小田原駅から徒歩10分ほどにあるバーカルタへ。建築士の女性のマスターが自身で設計したお店。カウンター8名程度のお店は、内装も素晴らしく大人の雰囲気が醸し出されていました。
隣に座った徒歩10歩に住んでる常連さんとお酒を飲みながら話します。マスターから、グッドトリップのある本町近くのおすすめ(ジビエ、歌謡バー、ゲイバー、海鮮居酒屋など)を教わりました。次回の目的地が決まりました。初めて訪れるバーで、大人の雰囲気と地元の方との何気ない会話という非日常を味わえた。
楽しいひとときを過ごし、22:00すぎに千鳥足で宿に戻り、消灯23:00を迎えます。
翌日は、早朝日の出とともに御幸の浜へ。1873年に天皇皇后両陛下が訪れたことが名前の由来だそう。海へ続くトンネルが映えスポットとなっている。
朝日とともに伊豆半島と三浦半島が見渡せます。
そのあと、報徳神社へ。小田原出身で経世済民を説いた思想家、篤農家の二宮尊徳(1787-1856)を祀った神社。
昔はどこの小学校にもあった懐かしの二宮金次郎像は青銅製で、三代目慶寺円長製作で、明治の冒険家中村直吉氏から寄贈されたもの。全国に同じものが1,000体製作されたそうですが、戦時下ですべて供出にあい、現存はこの1体のみだそう。貴重。
小田原城を抜けて宿へ戻ります。小田原といえば北条五代(早雲、氏綱、氏康、氏政、氏直)が有名ですが、北条氏時代は石造りの城の技術は関東には広まっておらず、小田原合戦後、大久保氏が入城し、近世石垣づくりの城郭になったそうです。関東の静謐を願い、戦国を駆け抜けた北条五代は以下の小説で楽しめます。
朝一から、海辺のさんぽ、神社とお城のさんぽと自然と歴史の非日常を体験した。
宿へ戻る途中、見るからに老舗のコーヒー屋さんの店舗脇にコーヒースタンドがあり、1杯300円でドリップコーヒーを飲んで帰りました。
そのあと、今回の旅の大きな目的の一つであった。うつわ菜の花さんへ。菜の花さんは、小田原市内の老舗和菓子屋さんで、箱根のお月さまという饅頭やどらやきなどを販売されています。3代目社長の高橋台一さんが、趣味の美術、民藝、工藝品収集から、うつわ菜の花をオープン。建物は建築家の中村好文さん。
高橋さんの人のつながりから、まだ全国的に知られていない素敵な作家さんなどの作品をギャラリー展示しています。
今回は、常滑で修業し、現在小田原在住の陶芸家・奥直子さんの作品が「小田原評定魍魎展」として展示されていました。
ところどころ消えかかった怪しい雰囲気の妖怪や架空の生き物たちが陶芸で表現されています。あとで穴部を抜くのではなく、製作中に穴をはじめから作るそうです。どうやってこの造形を手びねりで作るのか、頭の中と手先の動きを見てみたいと思いました。作品の目の透明感と奥行きもリアルで、ガラス質の釉薬を重ね塗りしたそう。夜見るとまた雰囲気がかわるとのこと。
オリジナリティのある不思議な魅力のある陶芸たち。素敵なギャラリーで、怪しくも美しい陶芸という非日常を味わった。
その後、歩いて小田原港方面へ。早川から見る箱根の山と小田原の街のコントラストもとても美しいです。
小田原港は、日本三大深湾の一つの相模湾に面し、陸地からすぐに水深が深くなり、埋め立てによる漁港建築が難しため、全国でも珍しい陸地を堀りこんで建築された漁港です。
市場には新鮮な海鮮丼や小田原名物アジフライを提供するお店がたくさんで、おさかな通りと呼ばれています。
今回、早川駅前にあるながやさんにお邪魔しました。7000円ほどのコースのみで、カウンターに座りました。目の前はオープンキッチンで、店主の長屋さんの丁寧な調理を見ながら、地元の鮮魚や野菜を使った料理が楽しめます。
ズワイガニの茶わん蒸しに始まり、赤イカの飯蒸し、春菊とごぼうのきんぴら、イボダイの自家製干物、カワハギとスマガツオの刺身、豚と冬野菜の汁物、芝えびと大葉のレンコンハサミ揚げ、季節の食材を使った料理が並びます。そして、最後は自家製の手打ちそば。
温かい接客で、一人でカウンターに座っていると、色々話しかけてくださり、料理とともに会話も楽しめました。
普段なじみのない少し敷居の高い割烹料理屋でしたが、とてもアットホームな雰囲気で、素晴らしい料理を堪能できました。
次は、知人も誘って再訪したいと思いました。
平日少し早めに仕事を切り上げ、東海道線で約1時間。海のある街の風景や歴史、新鮮な海の幸や小田原の方々や海外の方との会話。旅の語源は、賜わうの動詞形の賜ぶ(たぶ)だそう。小田原の地で、非日常からパワーを受け取った、そんな旅でした。また、定期的に来ます。
14:07早川駅発。
15:20川崎駅着。