リック・アストリー最強説
今回は「リック・アストリー、すげーなぁ」な記事です。
リック・アストリーは80年代にヒットを飛ばしたイギリスのソロ男性歌手。
1987年「Never Gonna Give You Up(UK:1 US:1)」が大ヒット。
これは80年代当時、UKやヨーロッパでヒットを連発していたダンス・ミュージックのプロデューサー・チーム「ストック・エイトキン・ウォーターマン(以下SAW)」が手掛けた中でも特にヒットした曲です。
ただ、ぶっちゃけ言うと、いわゆる自分ような「ロック」「インディー」「バンド」派の「(自称)俺ってホンモノ好きでセンスいいしね」という
イタいリスナーにとってはSAWの曲って「似たようなヒット曲の大量生産」みたいな感じで(90年代の小室ファミリーと通じるものがあります)、どこか音楽シーンの中でも下に見られていた印象は否めませんでした。
個人的にはディスコ音楽が大好き(行かないのに)だったので、SAWの「初期」は好きでした。 中でもデッド・オア・アライブやディヴァイン、そしてバナナラマなどの作品は今でも聴きます。
ただ、そんな自分でも80年代後半の「大量生産」時期には少々ギモンも感じていました。
そんな中、現れたリック・アストリー。
厳しい言い方をすれば「SAWのプロデュースだから売れた歌手」という印象だった人も多いのではないでしょうか。
そして「Never Gonna Give You Up(UK:1 US:1)」のヒット。
本当に「世界中で売れた」という言葉がふさわしいヒットぶり。
正直、このザ・UKなダンス曲がアメリカでも1位になったのは驚きです。
そして「Together Forver」で2曲目の全米1位を獲得しており、UKの新人歌手が、しかもダンス・ミュージックとして快挙でした。
ただ、聴いてわかるように「また曲調同じ。。」ということもあり、どうしてもリック・アストリーは「一発屋(英語で言うOne-Hit Wonder)」的な立ち位置だったのは否めません。
その後、大きなニュースになることもなく
時は過ぎ、、、21世紀。
近年、やたら彼のニュースを目にします。
音楽には何十年かに1度、「なぜかずっと聴かれる曲」があります。
たとえばこれ。
The Knack - My Sharona(1979 US:1 UK:6)
リック・アストリーと同じく「一発屋」という扱いをされる彼らですが、それが何度も何度もテレビなどで使われていると、あーだこーだ言われなくなる「突き抜ける瞬間」があります。 その後はもはや新しい、古い、一発屋など関係ありません。
時代と国境を越えた「定番曲」になります。
そもそも一発も当てられなくて消えていくアーティストが多い中、30年以上も1曲で話題になり続けること自体超凄いです。 もう奇跡。
そして、ここからが重要。
アーティストがどちらの姿勢で歌うのか。
「このヒット曲しかない」
「このヒット曲がある」
リック・アストリーは明らかに後者だと思います。
超ポジティブ・シンキング!(たぶん)
じゃなければ、こんなに楽しそうにカイリーとデュエットしません。
これは2018年の映像だから、二人とも結構なご年齢。
それでも、二人とも凄い堂々としていて大好きな映像です。
音楽の楽しみ方は大きく2つ。 どちらも正解。
「新しい曲で刺激を楽しむ」
「知っている曲で安心を楽しむ」
この映像は明らかに後者。
下手なアレンジをせず、当時のまま「皆が持ってるイメージを再現」するのも立派なプロのステージです。
ホント、会場が楽しそうですね。
そして、2021年の夏。
遂に「Never Gonna Give You Up」はYouTubeで再生回数10億回超え。
何なんでしょうね、この時代を超えた定着っぷり(^^;
格調高いミュージシャンでも、ここまで世界中で定番化した曲を持っているアーティストは限られていると思います。
そう考えると、1曲で30年以上話題になってるリック・アストリーはある意味で「最強」といえます。
もしかしたら、
「どの世代でも知っていて」
「どの国の人も知っていて」という
「世界中で同時に一番盛り上がれる1曲」ではないでしょうか。
(ジョン・レノン「イマジン」は静かな曲なので置いといて)
実はこれを書いている11月16日は彼のデビュー・アルバム
「Whenever You Need Someday(1987 UK:1 US:10)」の発売日。
34年前だから、来年は遂に35周年。
もしかしたら、かなり盛り上がるかも??
来年を楽しみにしましょう。
リック・アストリーはどこか、ソロキャンプで2回目のピークを迎えたお笑いの「ヒロシ」に通じる「神に守られている」感を感じます。
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