ロックとスーツ(あの人を忘れていました)
昨日、こんな記事を書きました。
UKロックのアーティストはスーツの着こなしが上手いね、的内容。
投稿後ふと、そういや「あの人忘れてたな」と思ったので新たに書きます。
「あの人」とは
様々なバンドで活躍したヴォーカリストのグラハム・ボネット!
はい、スーツ(しかも白)です。
ハードロック、ヘヴィメタル(HR/HM)のリスナーにはおなじみの人。
それ以外の人は「誰?」という感じでしょうね。
HR/HMらしからぬ短髪にスーツというビジュアルは業界でも超異色。
ネクタイにワイシャツ、またはアロハ(!)の写真も見ることあります。
イングランド、リンカーンシャー州出身。 またもやイギリスですね。
普通、HR/HMのヴォーカルというと
こんな悪魔的イメージとか
こんなレザーファッションのイメージかと思いますが、
グラハム・ボネットはこれですから。
レザー・ファッションのメンバーに囲まれても頑なにスーツ!
う~ん、まさに職人ヴォーカリストのこだわり(なのか?)
どうも自分達の世代だと漫才師の故・横山やすしさんを思い出します。
オールバックと短髪、サングラスと共通ですが恐らく交友関係はないはず。
そんなグラハムの力強いハイトーン・ヴォーカルは各バンドから誘われ
様々なバンドを渡り歩きました。
Raibow、Michael Schenker Group、Alkatrazz、Impellitteriなどなど
Rainbow
ディープ・パープルのリッチー・ブラックモアを中心に結成されたハードロック・バンド。
Rainbow - Since You've Been Gone(1979 UK:6 US:57)
Rainbow - All Night Long(1980 UK:5 US:110)
このMVがスーツ姿わかりやすいですね。
ウィキペディアを見てみたら、ビジュアルに関して書かれていました。
ファッション的には長髪、革ジャンと言ったヘヴィー・メタルの正装スタイルを拒み、短髪オールバックに白いスーツでステージにでることをポリシーとした。ちなみに「シンス・ユー・ビーン・ゴーン」のミュージック・ビデオではアロハシャツを着用している。
「ヘヴィー・メタルの正装」「短髪オールバック」
「白いスーツ」「アロハシャツ」
なかなか素敵なワードに心躍ります。
ただ、やはりバンドは「ハードロック」というイメージ作りも大事。
そこでこんなエピソードも。
来日した際に出演したベストヒットUSAで、「ヘアスタイルのことではリッチーとよく喧嘩をした」とコメントしており、小林克也の「リッチーからギターで殴られたのは本当?」という質問には「髪の毛を五分刈りにしてきたからね」と答えている。「髪を伸ばしてハードロックファッションをするようリッチーに言われたが、自分に求められたのは声であり、ハードロックファッションやヘアスタイルではないから」、また「リッチーは声とスタイルが合っていないと思っていたのではないか」とレインボー時代のことをコメントしている。
もう頑固なんだから!(ほめ言葉)
そんな頑固職人ヴォーカリストのグラハムですが、今でも人気で称えられる理由をあげてみましょう。
当然、歌声が素晴らしい(しかもコンディションの維持に頭が下がります)のは大前提として、
基本イケメン。
そして、ソロの時期にはこんな曲も話題になりました。
Graham Bonnet - Night Games(1981)
邦題:孤独のナイトゲームズ
これ、日本でも国民的歌手の故・西城秀樹さんもカヴァー。
グラハムが参加する曲って耳に馴染みやすく日本にも合うと思います。
更に、ぜひ取り上げたいのがこのバンド。
自身が組んだ80年代のAlcatrazz
超大物ギター・ヒーローを2人も輩出しました。
Alcatrazz - Island in The Sun(1983)
この1stアルバム時に在籍したYngwie Malmsteenはここから自身のバンドに繋がり80年代ギターヒーローへ。
Alcatrazz - God Blessed Video (1985)
この2ndアルバム時に在籍したSteve Vaiはここからソロへ、90年代ギター・ヒーローへ。
この2人を輩出したバンドって歴史的に超重要。
以上、今回の「ロックとスーツ」は単独で
「孤高のシンガー」グラハム・ボネットを取り上げてみました。
昨年にはソロ作を含めた88曲(!)のボックスセットもサブスク解禁。
ぜひカリスマ・ヴォーカリストを堪能してみてください。