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敵か味方か。 AIと音楽

AIは音楽にとって敵か味方か。
結論を言うと、個人的には「アリ」の流れになると思っています。

今回の記事では、有名アーティストによる賛否の発言を
3件取り上げてみました。

①ニック・ケイヴ「AIツールがグラミー賞を獲るようになることはない」

Chat-GPTによる「ニック・ケイヴ風」の歌詞が送られて、その作風に対し
「この歌はまったくろくでもない代物で、人間というものの存在をグロテスクなまでに嘲笑している」と発言。

実に人間的な作風のニック・ケイブだけあって説得力抜群。
そして、こんなコメントも。

「歌とは苦しみから生まれるものであり、創作活動に関する人間の複雑な内面的葛藤の上に成り立っている。だが私の知る限り、アルゴリズムに感情はない」と、Cave氏は記している。「データが苦しみを感じることはない。ChatGPTには内なる存在がなく、どこかへ行ったこともなければ、何かを耐え忍んだ経験もない。自分の限界を突破する独創性にも欠けている。したがって、これには何かを超越した体験を共有する能力がない。超えるべき限界がないのだから」

う~ん、ケイブ先生、私が間違っておりました。
たしかにそうですね、「データが苦しみを感じることはない」
重く、説得力のある発言だなぁ。。

実際にニック・ケイブの曲はAIでも書けなさそう。
(当然「ニック・ケイブ風」はいくらでもできそうですが)
この微妙な感じを機械に出されたらたまったもんじゃない。

Nick Cave&The Bad Seeds / Into My Arms(1997 UK:53)


②デヴィッド・ゲッタ「音楽の未来はAIに」

方や世界的DJのデヴィッド・ゲッタは好意的な意見。

「もしエレクトリック・ギターがなかったら、多分、ロックンロールはなかっただろう。Roland TB-303(ベース・シンセサイザー)やRoland TR-909ドラム・マシーンがなかったら、アシッド・ハウスはなかっただろうし、サンプラーがなかったらヒップホップはなかっただろう。僕は本当に、AIが新しい音楽のスタイルを規定するんじゃないかと思ってる。僕は新しい音楽のスタイルはどれも新しいテクノロジーから誕生すると信じている」

たしかに、当初は冷たいとされていたドラム・マシーンだが、
それがあったからこそ新しいジャンルも生み出されたのは色んなジャンルで証明済み。 そう考えると、楽しくなってくる。
「シンセサイザー」だって最初はギター派から否定的でしたが、今は好き好きですもんね。
はい、ニック・ケイブの意見に手のひら返した自分がいます笑

David Guetta - Titanium ft. Sia
シーアを迎えての曲。 17億回再生というモンスター


③ニール・テナント「曲作りの行き詰まりを克服するのに役立つ」

UKのレジェンド、ペット・ショップ・ボーイズのニール・テナントも好意的。  これ、めちゃくちゃ合理的な考え方だと思います。
さすがは時代を生き抜いてきたアーティスト。 考えが柔軟。

彼は、AIがミュージシャンにとって便利なツールになり、曲作りの行き詰まりを克服したり、創作活動が停滞している間に曲を完成させたりするのに役立つかもしれないと話しています。
テナントは 「2003年にコーラスだけを書いた曲があるんだけど、歌詞が思いつかなかったので完成しなかった。でも、今ではAIを使えば、書いた部分を渡してボタンを押せば、空白を埋めてくれる。その後、それを書き直すかもしれないけど、それでもツールになり得るかもしれない」


まとめると
①ニック・ケイヴ「AIツールがグラミー賞を獲るようになることはない」
②デヴィッド・ゲッタ「音楽の未来はAIに」
③ニール・テナント「曲作りの行き詰まりを克服するのに役立つ」

どうでしょう。 まだAIと音楽の正解はありませんが、
個人的には「AIをあくまでツールとしては使うが、全部は任せない」というのが今後のスタイルかな? とも思います。
つまりはドラムマシーンやシンセサイザーが出てきた時のように、
ジャズやクラシックは使う必要はない一方、ダンス・ミュージックでは役立つ、という感じかなと。
一方、あえてジャズとドラム・マシーンを合わせると新しいジャンルが生まれたりする可能性も面白いですしね。

ちなみに、実は自分もnoteを書くのにもう一部Chat-GPTの力を借りてます。
Chat-GPTも現時点では明らかな間違いを堂々と書きます(^^;
なので、自分が事実をしっかり知っているけどわざわざ書くと時間がかかる部分をChat-GPTに書いてもらい、それをコピペして言い方や語尾を揃えて自分のグルーヴを作る、みたいな感じ。

タイトルと反してすみませんが、
敵か味方かの二元論ではなく、「うまく付き合う」のがいいのかも。


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