#2 「32 Competitions」
突然ですがこの数字はなんでしょうか。
僕のSNSを見てくださっている方はピンときたと思います。え?きてない?
これは僕が2024年に出場した競技会数です。
陸上競技、フィールド種目の選手の数としては10-20試合が平均的なところでしょうか?
昨年2023年シーズンでさえ21試合ということを考えるとかなり多いですね。当然自分史上最高数です。
ある人は数字を聞いた瞬間に笑い
ある人はドン引きしていました。
4月の兵庫GPの時点で10試合目、日本選手権の時点ですでに22試合目だったので、ピーキングもクソもないなとは思いますが、それは1つのチャレンジだったので、後悔してません。
シーズンの振り返りも兼ねて今日はそれについてお話していこうかなと思います。
まず、32試合も出場した狙いとして
「チャンスの捻出とPB更新」
これが1番の理由ですね。
五輪を真面目に狙っていましたから、そのためには「自己ベストを狙うチャンス」と「ワールドランキングポイントを稼ぐチャンス」ができるだけ多く必要でした。
そうなると必然的に試行回数を増やす=競技会数を増やすということになります。
僕のコーチであるBennコーチとも、「2024年はいろんな競技会に積極的に出場して記録出して狙っていこうぜ」との意見が合致したことで、2月上旬からニュージーランド、オーストラリアでの転戦が決まりました。
そして兵庫GPで一旦帰国、その後は日本選手権までヨーロッパ各地で転戦、日本選手権後は国内で出れるだけ出るという形でした。
本当は日本選手権が終わった時点で、コーチからはシーズンオフすることを打診されていたのですが、「試合に出ることでしか得られない感覚や経験値もある」ということで、シーズン継続を決めていました。
当然シーズンオフした時の疲労は例年よりもかなり大きく、体にも正直ガタがきていることを感じていましたが、「チャンスの捻出」をしたことによって得られた副産物は多くのものがあったと思います。
6年ぶりに60mを超えた
それまでの取り組みや思いなどについては別の機会にまた詳しく話をするつもりですが、スウェーデンの小さな競技会にて、2018年7月以降、実に6年ぶりに60mを超える記録をマークすることができました。
当時、日本記録を出してから調子を崩してしまい、どれだけ頑張って投げても50mも飛ばない時期もあり、やっと調子が戻ってきたと思ったら、あと一歩届かない記録ばっかり投げていて「もう60mは投げられないのかなぁ」と思ったこともありました。
全ての試技後、Bennコーチと歓喜の抱擁を交わした瞬間にそれまでの過程が一気に頭の中に広がって、涙が溢れました。
「やっと投げられた」
それはどちらかというと喜びもあり安堵もありました。それでも自己ベストではないこと、世界基準には足りないこと、スタートラインに立てただけということ理解しているけど、すごく嬉しかったです。
これは来年以降、良い形でターンに表れてくれると思います。
強い選手と同じ雰囲気で戦えた
強い選手とたくさん戦えたことも良かったですね。
しかもただ強いだけでなく、圧倒的に強い選手。
世界トップクラスの選手と同じ場で投げそれに食らいつくような意思を持って臨む。同じ雰囲気で投げる。
これは日本にいると出来ないことです。
何回か海外での競技会は行っていますが、そういった世界トップの選手と戦う機会というのは、意外とあまり多くはありませんでした。
想像に難くないと思いますが、みんなとにかく
デカい。太い。重い。強い。速い。上手い。ヤバイ。
あまりに簡単に65mくらい飛んでいくので自分も投げれそうな気がしましたね。なお、現実は世界記録保持者となったMykolas Alekna選手(リトアニア)もエストニアの競技会で初めて一緒に投げましたが、本当に楽に投げますね。思っていたよりふわーって飛んでいくんですよね。衝撃でした。
ちなみに世界記録が出た日(4月14日)って僕の誕生日なんですよね。ちょっと嬉しいですね。
オリンピックや世界選手権に出ているような選手たちとはほとんどみんな一緒に試合をしましたが、みんな本当にナイスガイです。
Daniel ståhl選手(スウェーデン)は何回か試合を共にしている選手の1人ですが、いつも「アリガトー😄」といい笑顔で言ってくれます。笑
そういうトップ層の選手とコミュニケーションを取れることってなかなか出来ないし、見るだけでもめちゃくちゃ経験になりました。
ストレスのある環境を楽しめた
海外は、当然と言えば当然ですが日本とは全く違います。知らない土地、知らない言語、知らない文化、知らないルール。長時間の飛行機や車移動で疲労したり、日本国内で試合する時と勝手が違ったり、変なトラブルが起こったりもします。どんなに慣れている選手でも必ずどこかでストレスを感じるものです。
たとえば、ある程度の規模の大会であればオーガナイザー(主催者)がホテルを手配してくれたり、空港-ホテル、ホテル-競技場の移動手段を確保してくれるような手配をしてくれる場合が多いですが、ホテルの部屋はほとんどの場合ルームメイトがいます。
同じ種目の人のこともあれば、別の種目の人のこともあります。
同じ競技会に参加するとはいえ、国も文化も言語も生活も違う選手といきなり同部屋になるわけです。それは僕にとってはある意味ストレスでした。だって陰キャやもん
拙いながらも積極的に会話をしたので、なんやかんやでルームメイトとは仲良くなることができましたが、試合前で何も考えずリラックスしたかったので「僕は自由にするからあなたも自由にしなよ」的なことは伝えて、自分の普段通りの生活をしていました。
こういうふうに、何かしらストレスを感じる状況下で平常心でいることや「これこれ!こういうの!外国楽しー!」って楽しめる精神ってわりと大切なんじゃないかなと思います。
図太さともいうのかもしれませんが、そんな中でもあらゆる状況を楽しんで過ごせたのは精神的なレベルアップを感じました。
ごはん
これ超大切です。
超大切です。
僕は遠征先の国のご飯を食べるのが大好きなんです。ご飯はその国の文化の一つです。
飲み物やお菓子もそうです。
試合目的に行っているので観光に行くような時間はありませんでしたが、ご飯だけはファストフード系だったしても、必ずどこかで食べる機会があります。
マクドナルドですらその国の特色が出ますから、なかなか面白いものです。
スペインの滞在ホテルで本場のパエリアを食べられた時は感動しました。(なぜ写真がないッ…)
まあこれはオマケですが、いろんなところに行ったおかげでいろんなごはんを楽しめたのは良かったですね。
そのほかにも技術的な要素やターンの感覚など、書ききれないくらいにはいろいろと得られましたものがありましたし、自分自身にもまだまだ伸び代を感じられたとても良いシーズンになりました。
国内でも競技会には多く参加しました。
特に新潟医療福祉大学とびわこ成蹊スポーツ大学での競技会は、初めて行く場所だったということもあり、とても新鮮で刺激的でした。
関係者の皆さま、本当にありがとうございました。
来年も行ったことない大学や場所に積極的に行ってみたいと思いますので(たぶん)よろしくお願いします。
来年はどんなシーズンになるだろうか…
来年は今年よりはスロースタートの予定ですが、4月以降に冒険の旅をするつもりです。乞うご期待。
また、東京世界陸上、地元滋賀国スポ、デフリンピックなど、イベントが目白押しですね。
僕にとって勝負の一年になると思うので、一日を大切に過ごしていきたいと思います。
さあトレーニング頑張るぞっ
おわり