アメリカを食べる 2
Spaghetti and Meatballs
ミートボールスパゲティ
ミートボールスパゲティはいかにもイタリアンっぽい料理ですが、イタリアには実はこのようなパスタ料理は存在しないのです。存在しないというのはちょっと言い過ぎかもしれませんが、イタリア南部のごく限られた地域にあるだけのようです。
ミートボール自体はイタリア各地で食されています。でもポルペッテと呼ばれるイタリアのミートボールはアメリカのミートボールの大きさと比べると可愛いもんで、ゴルフボール大を越えることはまずありません。まっ、現在は大きなものもあるようですが、イタリアではトマトソースといっしょにメインフィッシュとして出されるようです。材料はイタリアもアメリカもあまり変わりませんが、パン(粉)の量がアメリカのミートボールのほうが少なく、イタリアのものよりもむっちりしています。
アメリカにはイタリアから、多くは南部からの移民がたくさんいます。1880年から1920年にかけてイタリアから400万人の移民がアメリカにやってきたといわれています。貧困に苦しんでいたイタリア移民は手ごろに手に入る肉を母国で食べていた以上に多く食べるようになりました。おそらくかたまりの肉よりもひき肉のほうが安かったということも考えられます。手に入るトマトは缶詰、パスタといえばスパゲティという状況で作られるようになったのがスパゲティ・アンド・ミートボールなんです。そして裕福になっていくのと伴ってミートボールも次第に大きくなっていきました。今では直径5㎝くらいあるものも少なくありません。こうなるともう主役がスパゲティなのかミートボールなのか分からなくなってしまいますよね。
参考資料
https://www.smithsonianmag.com/arts-culture/is-spaghetti-and-meatballs-italian-94819690/
https://en.wikipedia.org/wiki/Spaghetti_and_meatballs
https://bellina-alimentari.com/polpette/
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