『世界のサラダ図鑑』に登場してくる日本では手に入りにくい食材 第12回 野菜 その12 サボテンの葉
サボテンの葉、プリックリーペアカクタス/ウチワサボテン
使用しているサラダ
Ensalada de Nopales, メキシコ
食べられるサボテンって?
サボテンは食べられるというのを聞いたことがある人はいると思いますが、実際に食べたという人は少ないのではないでしょうか。食べられるサボテンは何種類かあるようですが、アメリカで売られているのはプリックリーペアprickly pear、日本語でウチワサボテンと呼ばれているサボテンです。おそらくメキシコ料理などに使われるためだと思いますが、ノパルnopalとスペイン語で呼ぶこともよくあります。このサボテンの葉(実際は茎?)はビーバーの尻尾みたいに平たくて、緑色のとげとげしたスリッパのようです。ウチワサボテンというはこのサボテンの名にぴったりですね。
サボテンなので棘あり
食べられるといっても、もちろんそのまま食べるわけにはいきません。棘は硬くて刺さるとかなり痛いです。棘を取って売っている場合もありますが、ほとんどは棘付きで、積み重ねられたサボテンから新鮮そうなものを選ぶためにつかんだりひっくり返したりしていると、きまってチクリと棘が刺さって毎回痛い思いをします。
棘付きのままでは洗うこともできないのでまずは刺抜きです。サボテンの平らな表面に生えている棘を、刺さらないように注意しながら包丁やスプーンでそぎ取ったら、周囲を幅5㎜~1㎝くらいぐるりと包丁で切り落とします。
味は?食感は?
サボテンの葉はアロエに似ているところがあって、切るとオクラのように粘りがあります。生でも食べられますが普通調理してから使います。味はとげとげの外見からは想像できないほどマイルドで、少しだけ酸味があります。食感も独特で、白アスパラガスをもっとプリッとさせてネバネバをプラスしたみたいなものといえば想像できるでしょうか。
下の写真は『アメリカン・スタイルBBQ: 塊肉をドンッ!』に出てくるサボテンのステーキ
代替品は?
昔同じような食感のものを食べたことがあるような記憶もあるのですが、それが何なのか、私の記憶が正しいのかもよくわかりません。ただ昆布とかワカメを分厚くするとこんな感じになるのかなあと思ったりもします。いずれにしても代替品を見つけるのは至難の業です。救いは食材として市場に出回っているわけではないですが、日本でも意外とよく見かけるサボテンではないかと思います。このサボテンを育てている人も多いのではないでしょうか。暑いところで育つイメージがあるサボテンですが、ウチワサボテンは低温に強く比較的育てやすいそうです。自分で育ててみるというのもいいかもしれません。
おまけ
おまけというわけではありませんが、このサボテンは実も食べられるんです。アメリカではプリックリーペアという名前で売られていて、爽やかな甘さを備えたおいしいフルーツです。もちろん棘はなく、皮をむいてそのまま食べます。