『世界のサラダ図鑑』に登場してくる日本では手に入りにくい食材 第22回 果物 その1 パパイヤ、グリーンパパイヤ
パパイヤ、グリーンパパイヤ
使用されているサラダ
パパイヤ
Rwandan Fruit Salad, ルワンダ/ Ghanaian Avocado Salad, ガーナ/ Rujak, ブルネイ/ Samoan Tropical Salad, サモア
グリーンパパイヤ
Thum Mak Hoong, ラオス/ Singju, インド
パパイヤってどこの果物?
よく熟したパパイヤとその果実
パパイヤを食べたことがない人はいるかもしれませんが、知らない人はあまりいないのではないでしょうか。原産はメキシコ、南アメリカの北部ですが、現在は熱帯に位置するほとんどの国で栽培されています。成長が早く植えてから3年ほどで実が実るそうです。この辺りも各国で栽培が盛んな理由のひとつでしょう。最も生産高が高いのは原産地のメキシコやブラジル、カリブ海の国々、そしてインド、インドネシアといった南、東南アジアの国々です。
パパイヤってどんな果物?
ブラジル産の黄色いパパイヤ
パパイヤには大きく分けて熟したときの実が赤い(オレンジ)ものと黄色いものの2種類があります。アメリカで売られているパパイヤのほとんどは赤いもので、国内でも生産されているほかメキシコなどから輸入されているのでバナナやオレンジと同様にごく普通にどのスーパーにも置いてあります。黄色いものも手に入りますが赤いものほど多くはありません。私が食べた黄色いパパイヤはブラジル産で普通のパパイヤよりもかなり小ぶりなものでした。
味は?食感は?
熟したパパイヤの食感は赤も黄色も熟したメロンのような感じでちょっとパイナップルに似た香りがします。黄色いパパイヤのようの甘味は若干強いような気がします。よくマンゴーを比較されますが、どちらもマンゴーのような強い甘さも独特の酸味もありません。ハワイなど他の地域のパパイヤを食べた経験はありませんが、それぞれ独特の風味を持っているようです。
普通のパパイヤとは別に皮が濃い緑色の硬いパパイヤが売られています。このグリーンパパイヤは別の品種というわけではなく、まだ熟していないパパイヤなんです。果実は淡い緑がかったクリーム色をしています。味も食感も熟したものとは別物で、熟していないメロンに食感が似ていて甘味はなく、特徴的な味はないともいえます。しかし塩や砂糖、ドレッシングなどと揉むようにしてよく混ぜると旨味が出てくる不思議な果物です。調理してもおいしく、カレーにすると無味であることが逆に生かされて、旨味をよく吸いこんでとてもおいしくなります。
グリーンパパイヤ
代替品は?
では代替品にはどんなものが考えられるのでしょう。熟したパパイヤの代替品はとても限られると思います。よくマンゴーが挙げられますが、私の意見としては甘さを含め風味が強すぎるような気がします。それよりもメロンのほうが近いのではないでしょうか。
グリーンパパイヤは代替品を考えるという点でおもしろい存在です。変な言い方ですがなさそうであるのがグリーンパパイヤの代替品ではないでしょうか。グリーンパパイヤはあまり味がしないので問題は食感ということになります。代替品としてよく登場してくるのはキュウリ、ズッキーニ(生)、ニンジンなどです。キャベツもなかなかなものです。
しかしインターネットなどで調べても出てこないもので代替品として最適なものが実はあるんです。あくまでも御人的な意見ですが、それはスイカなんです。スイカといっても赤や黄色の甘い部分ではなく、誰も食べない白い部分です。本の中で紹介しているラオスのタム マク フーンやタイの有名なトムサムはグリーンパパイヤを細くスライスしてサラダにしますが、このサラダをスイカの白い部分で作ると見た目も食感もそっくりなものができます。まっ、スイカのほうがシャキシャキ感が若干強い気はしますが。このサラダの材料のひとつ、タイナスも手に入りにくい食材ですが、代替品を使って、またはタイナスなしで作ってみてください。スイカ1個で4人前以上のサラダができます。
ひとつ前の写真がグリーンパパイヤを使った正真正銘のラオスのサラダThum Mak Hoong。上の写真はスイカを代替品として使った偽物グリーンパパイヤサラダ。2つの写真を見比べてみてください。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?