『世界のサラダ図鑑』に登場してくる日本では手に入りにくい食材 第13回 野菜 その13 ヒカマ
ヒカマ
使用しているサラダ
Xec, メキシコ/ Rujak, ブルネイ/ Pasembur, マレーシア
どんな野菜?
一言、ヒカマはおもしろい野菜です。薄茶色の皮に覆われた根菜で直径10~12㎝くらい。なかには20㎝近いものも見かけます。見た感じはジャガイモに似てなくもないですが、ほとんどの場合上から少し押しつぶしたような感じではあるものの、きれいな円形をしているのでジャガイモと間違えることは100%ありません。つかんでもその違いが分かります。ジャガイモというよりのリンゴなんかをつかんだ時の感触に似ています。
原産地はメキシコと周辺の中央アメリカの国々で、メキシカンターニップ(ターニップはカブ)、メキシカンヤムビーン(ヤムはサツマイモなどのこと)などと呼ぶこともあります。今はアジアの国々でも栽培されていて、東南アジアではサラダなどいろいろな料理に使われています。
下の写真左下、ボンタンの右にあるのがヒカマ
味は?食感は?
ここまでの話ではおもしろいことは何にもないですが、味、食感は変わっています。同じような根菜の代表といえばジャガイモ、サツマイモ、里芋ですが、どれにも似ていません。皮をむいて切って出されたものを食べても、おそらく根菜だとは思わないでしょう。
ヒカマは皮をむくとジャガイモのように淡いクリーム色の中身が現れます。90%が水分というだけあってとてもみずみずしく、生で食べるとシャキッとしていて甘味があります。甘味といってもサツマイモの甘さとは違います。食感、味ともに最も近いのは梨ではないでしょうか。つまり果物の味がする根菜なんです。
ヒカマは生のまま食べやすい大きさに切ってサラダにすることが多いですが、調理してもおいしい野菜で、炒めても煮てもいいですね。圧巻はきんぴらです。おそらくアメリカでもヒカマをきんぴらにした人はほとんどいないのでは。これがものすごくおいしいんです。
代替品は?
日本でも沖縄などで栽培されているようですが、たぶんほとんどの人は見たことも聞いたこともないのではないでしょうか。ヒカマは生で食べることが多いので、代替品も生で食べられるものということになります。私の一押しは甘味が強くないパリっとした梨です。幸水、福水のような水分が多いものよりも長十郎のほうがより近いのではと思います。次点は青首ダイコンの甘味が強い部位ですかね。食感、味は多少違いますがカブもいいかもしれません。
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