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『世界のサラダ図鑑』に登場してくる日本では手に入りにくい食材 第19回 野菜 その19 バナナの花

バナナの花

使用されているサラダ
Neorm Sach Moan, カンボジア/ Nom Hoa Chuoi, ベトナム/ Boshi Mashuni, モルジブ

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バナナの花?


 ベトナムのサラダ、ノム フア チュオイのところで書いたように、バナナの花は紫色の苞葉(ほうよう)で包まれています。苞葉はつぼみの外側を包んでいる葉が変形したものだそうです。この外側の苞葉をはがすと根元に小さな花がたくさん並んでいます。苞葉は一層だけではなく何層にも重なっていて、それぞれの苞葉の根元にはどれにも小花が並んでいます。つまり何層にも重なった苞葉と花のかたまりがバナナの花と呼ばれています。
 まだ収穫されていないバナナの写真を見たことがある人は多いと思います。何10ものバナナの実が積み重なるように実っています。苞葉の下に並んでいる小さな花一つ一つがバナナの実になるわけです。

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どうやって食べるの?

 苞葉を1枚1枚むいていくと、濃い紫色が次第に薄れてクリーム色になっていきます。この辺りからが食用になる部分です。サラダにするときはこれを薄く輪切りにします。アーティチョークと同様に空気に触れるとすぐに変色してしまうので、傍らにレモンやライムジュースを加えた水を用意しておいて、刻んだら直ちに浸すようにします。苞葉と苞葉の間には花があるわけで、花もいっしょに輪切りにすることになります。もちろん小花も食べられます。花を別の料理に使いたい、花を混入させたくないという場合は苞葉をむいて花を取って重ねて千切りにします。

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味は?食感は?

 バナナの花はシャキシャキとしたとても心地よい食感があります。バナナの花だからといってバナナの味がするわけではなく、アーティチョークの味に似たところがあるといわれますが、実際はとてもマイルドで味よりも食感を楽しむ食材をいえるかもしれません。
 小花も食材をとして利用されます。ガクなど食べられない硬い部分を小さな花1つ1つから取り除くのは面倒ですが、天ぷらやフリッターにするとおいしい食材です。

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代替品は?

 バナナは最も人気のある果物であるにもかかわらず、花はまず日本で見かけることがないと思われます。花が食べられるということすら知っている人は少ないのではないでしょうか。アメリカでもバナナの花がアジア系のスーパーなどで手に入りますが、どこでも買えるというものではありません。レストランなどでは紫キャベツを千切りにして代りに使っているところもあるようです。食感などは違いますがとてもおもしろい選択だと私は思います。

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