『世界のサラダ図鑑』に登場してくる日本では手に入りにくい食材 第25回 果物 その4 ブレッドフルーツ(パンノキの実)
ブレッドフルーツ(パンノキの実)
使用されているサラダ
Breadfruit Salad, グレナダ
ブレッドフルーツ、パンノキの実ってどんな果物?
ブレッドフルーツは前回紹介したジャックフルーツによく似た果物で、どちらもクワ科の植物です。日本ではパンノキと呼ばれ、食用として使われる実はパンノキの実と言われます。ブレッドフルーツとジャックフルーツがよく似ているとはいっても、サイズが違うのでまず間違えることはありません。ジャックフルーツに比べるとブレッドフルーツははるかに小さく、ほぼ球形でグレープフルーツくらいの大きさです。原産地はニューギニア、マルク諸島、フィリピンですが、植民地時代に英国、フランスによってカリブ海の島々に移入されて、今では南アジア、東南アジア、太平洋の島々、カリブ、中央アメリカ、アフリカなどで栽培されていいます。アメリカでもフロリダなどで栽培されているようです。ブレッドフルーツは生産性が高く、年間で1本の木から200個の実がなり、しかも1年中収穫できるそうで、このあたりもブレッドフルーツの栽培が盛んな理由の1つだと考えられます。日本では沖縄で街路樹として使われているようで、沖縄では馴染みのある樹なのかもしれません。
味は?食感は?
ブレッドフルーツはほどよく熟したものが食用として使われます。調理するとジャガイモによく似ていて、味はパンに似ているとよくいわれます。さらに成熟が進むと澱粉が砂糖に変わりとても甘くなるそうですが、私はまだ試したことがありません。
グレナダのブレッドフルーツサラダでは茹でたブレッドフルーツが使われます。確かに味はパン、ジャガイモに似たところがありますが、食感は多少違うという印象です。
代替品は?
ブレッドフルーツは日本ではほとんど見かけることがない果物のひとつでしょう。アメリカでもけっしてどこでも簡単に手に入るというわけではなく、限られた店あるいはスーパーで手に入る程度です。編集の担当者と打ち合わせの際、当然ブレッドフルーツの話が出てくるわけですが、2人ともブレッドフルーツのことを知っていました。購入可能かどうかは別にしてブレッドフルーツ、パンノキについては意外と日本では知られているのかもしれません。
代替品として考えられるものの筆頭はジャガイモ、なかでも澱粉が多い男爵が最適かと思います。ヤングジャックフルーツやプランテインも代替品としてよく掲げられますが、どちらもブレッドフルーツ同様手に入りにくいですよね。近いものとしては熟していな緑色のバナナでしょうか。