『世界のサラダ図鑑』に登場してくる日本では手に入りにくい食材 第15回 野菜 その15 タイナス
タイナス
使用しているサラダ
Lalab, インドネシア/ Thum Mak Hoong, ラオス
一口にナスといっても種類いろいろ
日本のナスが手に入りにくいという残念な事実はあるものの、アメリカでは様々なナスがスーパーに並びます。太くてどでかいアメリカナス、ソフトボールのようなシシリアナス、細長い中国ナス、日本のナスに似たイタリアナス、縞々模様のグラフィティナス、ゴルフボール大の丸いタイナス、タイナスそっくりだけど濃い紫色のインドナス、食べたことはありませんが白いナスもあります。大きさも形も全然違うし、用途も違ってきたりするのでおもしろいですね。
タイナスってどんなナス?
ここで紹介するのは小さくて丸いタイナスです。これだけ種類があるのに生で食べるナスはたぶんこのタイナスだけです。名前からも分かるようにタイなど東南アジアでよく使われるナスですが、インドやスリランカでも栽培されているようです。紫、緑、黄色、白などがありますが、アメリカで手に入るものは淡い緑色のものが多いです。
味は?食感は?
生で食べることが多いタイナスの味は、わずかに辛さがあるもののまったく気にならない程度で、とてもマイルドで食べやすいナスです。塩もみなどにして食べることはあっても、ほかのナスを生で食べたことがないのではっきりしたことはいえませんが、辛さなどが強くなる可能性はあるものの、他のナスも似たり寄ったりの味がするのではないかなあと思ったりもします。
タイナスの魅力は味ではなく食感ではないでしょうか。中身も他のナスと比べると締まっている感じがしますが、パリっとした皮の食感はほかでは味わえないタイナスの最大の魅力です。もちろん調理するとこの食感がなくなるので美味しくないというわけではありません。他のナスと同様、調理すると甘みが出てきます。煮ても炒めてもおいしい野菜で、兄弟分であるインドナスと同じようにカレーにするととてもおいしいですね。
代替品は?
まだ限られているとは思いますが、日本でもタイナスを栽培する農家があるようです。まずは近くの農家などを当たってみるといいでしょう。インターネットで検索すれば直送してくれる農家が見つかるかもしれません。見つからない場合の代替品ですが、ナスを使用する場合は塩もみする必要があるでしょう。タイナスは皮のパリっとした食感が魅力なので、普通のナスよりも子ナスのほうが近いのでは思います。それにしてもタイナスの食感とはかなり違います。もう少し食感が近いのはズッキーニです。ズッキーニならば塩もみしなくても生で食べられるし、色のタイナスに近いです。あとはキュウリですかねえ。ニガウリなんかも味はまったく違いますがおもしろい存在ではあります。