『世界のサラダ図鑑』に登場してくる日本では手に入りにくい食材 第17回 野菜 その17 ラウラム(ザウザム、ベトナムコリアンダー)
ラウラム(ザウザム、ベトナムコリアンダー)
使用しているサラダ
Nom Hoa Chuoi, ベトナム/ Goo Ngó Sen, ベトナム/ Goi Ga Bap Cai, ベトナム
ラウラムって何?
「蓼(たで)食う虫も好きずき」という言葉があります。ほかにおいしいものがあるのに辛くて臭いタデにもつく虫もいる。つまり人が違えば好みも違うということを意味です。なぜこんな話をするのかといえば、ラウラムもタデも同じイヌタデ属の植物なのです。見かけもそっくりです。
本の中ではラウラムで統一しましたが、実際にはベトナム語の発音を日本語表記するとザウザムのほうが近いような気がいます。ベトナム国内でも発音に違いがあるようで北ではザウザム、南ではラウラムと説明しているものも見かけます。地方によってはジャウジャムと発音することもあるようです。英語では一般にヴィエトナミーズコリアンダー(ベトナムコリアンダー)と呼んでいます。コリアンダーは日本でいうパクチーのことです。
味は?香りは?
ラウラムはタデの双子の兄弟姉妹みたいなものなので、味、香り、食感がとてもよく似ています。葉は柔らかく、辛味と独特の香りを備えています。わずかですが柑橘系やムスクの香りがすると表現されることもあります。辛味や独特の香りがあるといってもタデほどは強くないのではないでしょうか。ラウラムは生のままサラダに使うほか、スープや鍋などに使うようです。『世界のスープ図鑑』ではジャスミンライスを使ったベトナムのお粥チャウ・ガーで飾りとして使っています。
代替品は?
代替品は単刀直入にタデと言いたいところですが、飾り程度に使う場合はいいにしても、サラダのようにある程度の量を使う必要がある場合にはタデでは強すぎるかもしれません。英語でベトナムコリアンダーということからも分かるようにパクチーにも似たところがあるので、パクチーで代用するのがいちばん手軽な方法でしょう。よりラウラムに近づけるのであれば、生のミントとパクチーを半々くらいにするといいと思います。