[007]経済のお勉強〜其の三〜失業率
今回は直近でも株価に影響を与えた、マクロ経済の第二の目標の失業率(の最小化)についてです。
失業率とは
じっちゃま曰く、《FRBの二つの使命(デュアル・マンドレート)とは①失業率の最小限化、②インフレ率2%に安定させること。新しい政策では期待インフレ率が3%、3.5%になってもすぐには利上げしない。もし好景気になってもFRBはなるべく粘って利上げしない可能性がある。》
アメリカの失業率は労働統計局という労働市場やその環境、賃金変化等を調査する政府機関から発表されます。失業率には自然失業率と景気変動による失業率の二種類があります。
自然失業率には、定年を迎え職を離れた場合も含まれますし、失業給付金の期間や金額で仕事を探す本気度が変わる事も影響します。自然といいつつも人為的要素を含みます。従って景気とは無関係です。どちらかというと職業支援や法改正などの影響を受けやすいといえます。
もう一つは景気変動による失業率です。景気悪化により、企業の売上が低下すると米国企業では多くの企業は賃金カットより人員削減を選ぶようです。このタイプの失業率を減らすには商品•サービスの需要、消費を促進し企業の売上を増加させる事が重要になります。これを実現するため政府は①減税による消費促進や補助金配布等の財政政策と②中央銀行による《金利引下げ》で企業活動を促進する金融政策の二つを用います。失業率は金利に影響を与えます!
失業率と株式投資
じっちゃま曰く、《今回(右端)は過去の不況とは違い、まるで「針」のように急に失業率が高まったかと思うと、すぐに改善を見せています。前回失業率が現在の6.9%まで戻してくるのに4年を要したのと大違い。だから「利上げ?…」の話が出てくるのも早いと覚悟すべし。》
(図出典=U.S. Bureau of labor statistics)
前述の通り、失業率は中央銀行の金利政策に大きく影響します。そのため失業率の急速な回復は株式市場にとってマイナス要素になり得ます。
よいニュースは悪いニュース、悪いニュースはよいニュース
じっちゃま曰く、《良いニュースが悪いニュースと受け止められる局面が到来》。
失業率の対予想からの悪化は普通考えると「悪いこと」ととらえられそうですが、株式市場にとってはいいニュースになりました。これも金利上昇のリスクは少ないな!という投資家の心理によるものです。
関連指標
◼️米国雇用統計
米国雇用統計は、アメリカの雇用の情勢(失業している人数や就業している人数など)を調査した統計で、最も重要な経済指標の一つで毎月第1金曜日に発表され、「失業率」「非農業部門雇用者数」「週労働時間」「平均時給」「建設業就業者数」「製造業就業者数」「金融機関就業者数」等の指標が含まれます。特に重要なのは失業率と非農業部門雇用者数です。
◼️失業率
労働力人口(16歳以上の働く意志を持つ人達)のうち、失業者*の占める割合です。
◼️非農業部門雇用者数
じっちゃま曰く、《米国雇用統計は『非農業部門雇用者数』と『失業率』にわけられます。発表は毎月第1金曜日。なかでも、非農業部門雇用者数はきわめて重要度の高い統計、数字が高ければ米国株は上昇します。なお、FRBは失業率を下げることを最大の目標としており、達成したい究極のゴールは6.5%といわれています》
農業部門を除く産業分野で、民間企業や政府機関に雇用されている人の数です。自営業や農業従事者は調査対象に含まれません。
最後に
投資を始めるまでは、失業率が上がった方が金利が下がり株価が上がる事があるなんて考えもしませんでした。投資を通して社会の動きを知る事ができました。
最後まで読んでいただきありがとうございます(≧∀≦)
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