[022]テーパリング
2021年の市場参加者最大の関心ごとの一つであるテーパリングについて勉強しました。
初めに
じっちゃま曰く、《現在FRBは米国財務省証券を毎月800億ドル、住宅抵当証券を400億ドル、合計1200億ドル買い入れています。テーパーとはこの買い入れ額の減額に他なりません。①減額がいつから開始する?②減額の金額は幾ら?それらのことがわかれば、テーパー終了のタイミングがおおよそ把握できます。》
いつから?いつまで?が非常に重要になります。なぜならテーパリングの後には利上げが構えているからです。
テーパリングとは
テーパリングとは先細り、斜めになった状態を意味するtaperに由来しており、中央銀行が実施してきた金融緩和政策を段階的に引き締め、終了に向かわせる手法の事です。各国には中央銀行と呼ばれる公的な銀行があります。日本では日本銀行、米国では米連邦準備理事会(FRB)です。
一般的に中央銀行は景気後退局面で政策金利を引き下げて(金融緩和)、景気の下支えをします。政策金利をゼロ%近辺まで下げても景気が回復しなければ、政策金利を下げられないので、量的金融緩和政策に踏み切ります。この政策では国債などの金融資産を市場から大量に買い入れて資金供給をする政策です。
2020-2021年の状況
新型コロナウイルス感染拡大に端を発する景気後退を受け、金融市場安定化を目的に’20/3月にFRBは大規模な金融緩和を実施しました。最初は政策金利の引き下げを、続いて量的緩和政策も開始しました。これらが功を奏し景気は回復しGDP成長率も大幅に回復したため、上述のテーパリングが意識されはじめました。
当初は8月のジャクソンホールが意識されました。’21/5月の米消費者物価指数(CPI)は市場予想より上昇しましたが、FRBが量的緩和の縮小を急ぐほどではないとの見方を示したため、長期金利は低下し株式相場は上昇しました。’21/8現在ではジャクソンホールなのかそれ以後のFOMCでの宣言なのかに注目が集まっています。発表される経済指標や、パウエル議長の発言、フェドウォッチャーの発言などに引き続き注意しなければねりません。
過去のテーパリング
過去のテーパリングというか、テーパリング示唆の失敗例として’13/5月のバーナキンショックがあります。リーマンショックからの経済回復を受けテーパリングを示唆した際株価が大幅に下落しました。市場との対話、根回し不足による混乱です。
(図=‘13/5月のVTI 日足)
5/22の議会発言、6/10FOMCで大きな下げとなっています。ダウ平均ではそれぞれ-2.5%、-5%の下げであったようです。ただしこれは予想外の発言、タイミングであることもあり現在パウエル議長は慎重に下ごしらえをしているためここまで被害は大きくないかもしれません。また比較的短期で株価は再度上昇に転じています。
◼️テーパリングの考え方
じっちゃま曰く、《仮に10月から財務省証券の購入を毎月100億ドル減らせば……9月 800億ドル、10月 700億ドル、11月 600億ドル•••3月 200億ドル、4月 100億ドル、5月 0億ドル》
続けてじっちゃま曰く、《こんな感じで来年5月までにはテーパーが終了すると予測することができるわけです。それが完了した時点でFRBはいよいよ利上げに着手できる……そういう順番になります。》
いつ開始するのか、どの程度の規模で開始するのかについて注視しなければなりません。
とるべき方策
じっちゃま曰く、《8月からテーパリングが開始されたら、次の景気のアクションは”鈍化”=企業が成長を出しづらい、と考えられ、その中でも成長できるSaaS関連のネット株が現在物色されている。景気後退色が一層鮮明になればディフェンシブ株に矛先が向かうと思う。薬品株は特に安い。(‘21/06)》
いわゆるディフェンシブ銘柄に注目が集まります。
またじっちゃま曰く、《アタフタしないで! テーパーリングは…いつかは通過しないといけない儀礼。それさえ通過すればすべてオッケ。しばらく痛いだけ。》
上図でも一旦下落するものの比較的短期間で持ち直しており大きく投資戦略を変えるものではないのかもしれません。
最後に
中々大きな転換点である事は間違いないので、今後もアンテナ高く情報を集めていきましょう。(投資は自己責任で!)
最後まで読んでいただきありがとうございます(≧∀≦)
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