スポーツ界の課題!だけど、みんなで解決しようよーって思う話
新型コロナウイルスの影響によりスポーツ市場の打撃は想像を絶するものになっています。そんな中いよいよJリーグで新しい試みがスタートするようです!
Jリーグ救う「投げ銭」国内プロリーグ初導入へ…試合見ながらネットで寄付
出典:スポーツ報知
特に野球やサッカーなどの大きなスタジアムに多くの観客を入れることで収益を上げてきたモデルは数年以上の単位でこれまでのような集客をすることができず根底からそのモデルを変えないといけないと思います。
そんな中で先日のブログでは高単価チケットの提案なども書かせていただきましたが、Jリーグで投げ銭の導入が検討され、実施されるとのこと。
これ自体は収益化の一つとしては良いなと思いました。
今は、それこそたくさんのYouTuberやインスタグラマー、芸能人の方も含め自宅などからの生配信を積極的にやっていたりライブチャットは連日大盛況のようですので間違いなくいい影響も出るんじゃないでしょうか?
ただ、1つ気になったこともあって。
投げ銭が一口500円なんですよね。これ、はっきり言って高い。
チケット代分を回収するには、って考えたのかもしれないですが、投げ銭ていいね!のちょっと上位版みたいなイメージで気軽に出来るものだと思うんです。
500円ていわゆる一般的な金銭感覚からすると、ちょっと抵抗感が出始める金額じゃないですか?
100円均一で買ったものは何であれ失敗してもそんなになんとも思わないです。けど、500円するとモノによっては結構イラってする。
ワンコインっていえばランチ代って計算する人もかなり多いんじゃないでしょうか。
もっと言うと、例えば路上ライブしているアーティストが、ギターケースに500円以上しか受け付けません!って書いてたらどう思うでしょうか?
投げ銭入れようと思って開いたサイフも絶対にすぐ閉じます笑
もちろん、実際の現金ではないので決済手数料等々考えて1円とかはいらないですが10円や50円の投げ銭は全然現実的にあるし、それを何度も押してもらうっていう方が結果的にたくさん収益がでます。より試合に参加している気持ちにもなれるし僕がファンなら絶対に見ていてそれの方が楽しい!
逆に一口500円だと毎回痛みが伴うから1回しか投げ銭しないし、というかもったいないって思っちゃったり、お金出してあげられない自分が嫌になっちゃって見なくなっちゃうかも。
こんな感覚って投げ銭のライブに参加したことがある多くの人が結構当たり前に感じてきたことだと思うんです。
ではなぜ、Jリーグっていう日本のトップのサッカーのプロリーグでこんな事になったのか、それを考える必要があります。
それは記事の中に答えがあって、記事の途中、村田チェアマンの会見での言葉が引用されています。
「最近は投げ銭という、バーチャルの試合環境でもいいプレーに関して、お客様が支援できるようなデジタル上の環境が整っているようです。新しいチャレンジには積極果敢にアイデアを出していく」
つまり、Jリーグの運営には、投げ銭を含むネットリテラシーが高い人が少なくとも意見を通せるポジションにはいないってことです。
新しい試みをすることは素晴らしいことです。間違いなく観戦方法もその種類もどんどん増えていった方がいいし、キャッシュポイントも増やした方がいい。
一方で、スポーツ界では新しい試みですが、投げ銭って新しい試みですかね?
もちろん、それを知らないことが決して悪いことではないと思うんですが、明らかに他のエンタメ業界から見ると2周遅れくらいになっているのがスポーツ界の現状だって思うんです。
年齢的なこともあるでしょう。でもこれって、全業界で同じようなことが起きていたらわかるんです。どんな業界の人も60歳70歳を超えると時代錯誤のようなことをしてしまうのであれば仕方ない。
では、アーティストの業界を見てください。矢沢永吉さんはなんと70歳、桑田佳祐さんは64歳。ライブの演出やメディアの活用方法など、全く古さを感じることはありません。
桑田佳祐さんはサザンやソロ活動の楽曲のMVをこのコロナ期間になんと40曲以上無料公開しました。
ここは間違いなく全スポーツ界の大きな大きな課題だと思っていて、はっきりいってエンタメ化・収益化がめちゃめちゃ苦手!
野球界ではソフトバンク、DeNA、楽天などIT系の企業が球団を買収してから明らかにエンタメ化が進み観客動員数の増加が進んだ印象があります。
ほとんどのスポーツがそのトップ選手でも一般の会社員程度しか稼げない要因はまさにここです!
ただ、決して苦手なことを批判しているわけでもなんでもなくて、シンプルに得意な人と組むか、得意な人を取り入れるかをするといいんだと思うんです。
団体の管理・運営・スタジアム集客という意味ではこれまでやってきたし、彼らがトッププロなのでしょう。万人規模の集客をするチームを複数束ねて運営することは中小ベンチャーには到底できません。
しかし、ネットでの配信や集客に関してはチェアマンのコメントからわかるように全くの素人です。
実はこういうことっていろんな業界で起きていて
例えば、ラーメン屋さんのオペレーション管理は素晴らしいでしょうが、ホスピタリティは平均してそこまで高くはない。
逆に病院はホスピタリティは素晴らしいでしょうが、待合室で数時間待ちでも説明がないことも普通でオペレーション管理はあまり得意ではない。
これってどっちが上とか下とかそういうことじゃないですよね。
シンプルに業界ごとに凸凹があって、この業界はこれが強い、これが弱いということがある。他の業界では当たり前だけどこの業界では誰もやってなくて一人勝ちなんてこともよくあるわけです。
他の業界のこの手法を別の業界で転用したらうまくいくっていうことが気づいていないことも含めまだまだたくさんあるはずです。
現状、同じエンタメ業界にいながら、同じライブビジネスでありながら日本では明らかにスポーツ界はエンタメ化・収益化・IT化が苦手です。
そんな中、素晴らしいことにコロナの影響で皆が新しいことやらなければならないという思いで動き始めている。
常識を変えるには絶好のタイミングといえます。
この状況で期待したいのは自力で考えることよりも、他業種・他業界との協力やジョイントです!
もちろん、今回の投げ銭サービス的にも改良されどんどん良くなっていくでしょうが、現状ネットの収益化は苦手なわけです。これは紛れもない事実。ということは、彼らが自力で考えても限界があるし、次の答えが出たころには世の中が変わっている可能性の方が高いのでまず間に合いません。
弱い所は積極的に外からの力を借り、共に成長していくのが近道です。
スポーツ界はエンタメ化と収益化がもっとうまくなっていけばもっとたくさんの人がスポーツを部活でやめなくて済む時代が来ると思うんです。それくらい、僕はスポーツの力を信じているし、価値はあるわけだから今こそ、業界という垣根を越えて吸収していく事で、さらなるスポーツの魅力が生まれてくることを期待しています!