坂本選手・大城選手の陽性反応。明確なルール整備を!には反対です。
昨日、驚きの発表がプロ野球巨人軍よりありました。
坂本選手、大城選手の新型コロナウイルス微陽性反応というニュース。
なんの体調不良もなく、前日まで4番を打っていた坂本選手の陽性反応というニュースに、衝撃を受けました。
今回巨人は試合を中止、坂本選手と大城選手を一旦チームから離れてもらう措置を取りました。
今後もスポーツ界ではこういった事態が想定されます。それに備えて、どんなことができるのでしょうか?
個人的には、明確なルール作りはしない方がいいと思います。
では、どうすればいいのか?
「ルール無用」というルールを作るしかない。というのが今回の結論です。
明確なルール整備を!という声も非常に多く上がっているようですが、僕の考えは違います。
なぜか。
今回の新型コロナウイルスは、今現在も陽性反応者が増える日もあればかなり抑えられている日もあります。
本当に毎日毎日状況が変わり、予測が立ちません。
突然青天の霹靂のように北九州で20名を超える感染者の方が出たかと思えば、検査をしてみたら微陽性反応が出てしまった今回の坂本選手や大城選手のような場合もある。
どうしても「新型コロナウイルス」のように名前があると、”枠”でしか捉えられなくなってしまうもの。
つまり、世の中には白か黒しかない!という発想に気付けば陥りがちになってしまうのです。
実際には、ほとんどの方が”オフホワイト”から”グレー”の間、つまりグラデーションなわけです。
目に見えないウイルスですがこれだけ蔓延してしまった以上、すべての人のすぐ近くにあるというのが現実でしょう。
風邪や体調不良で当てはめてみればわかると思いますが、風邪を引く時だって、
熱は無いけどだるいなぁとか
頭がちょっと痛いかもとか
ほんの少し微熱があるんだよねー。
くらいのやや風邪気味、くらいなことがほとんどです。
でも僕らは実際には一年中風邪を含む多くのウイルスに触れているわけです。免疫力などの力で症状が全く出なかったり、ウイルスの力が弱かったりするだけで、疲れて免疫が下がればいつでも風邪を引くことがあるわけです。
風邪の日は必ず37.5℃以上の熱が出て、風邪じゃない日は毎日絶好調!
なんて人はいません。ほとんどの日がまあまあ、です。
仕事が忙しかったら行くけど、代わりの人が居そうだったら休んじゃおっかな?なんて体調の日は誰にでもしょっちゅうあるわけです。
今回の新型コロナは無症状の方が非常に多いことからも、ゼロにすることはまず不可能だと思うんです。
実際プロ野球選手だから坂本選手や大城選手は検査ができただけの話で、ほとんど一般の人は検査をしてません。症状がない方を検査できる設備も資金もありません。
プロ野球なんて全部合わせても1000人いかないわけですから、その人数の中で陽性反応が出るということは、日本中には少なくとも万人単位で陽性反応が出る計算になります。
陽性=すべてダメ。というルール整備をしてしまえば試合の中止や延期が相次ぐ可能性があります。
今回の場合、確かに陽性反応は出ましたが、基本的に全員健康なわけです。
今後陽性反応は全部ダメにしてしまうことが果たしていいのか?
それでシーズンが成立するのか?
という問題があります。
しかし、例え微陽性の選手においても当然、これからその選手の周りなどで陽性反応者が出る場合もある。
そのあたりも含めてただ一つ言えることは”わからない”ということ。
だとするならば、最初から様子見での開幕なんだから、感染者などの状況でいつでもトップダウンで判断しますよ!検査と感染防止徹底してください!っていう2つのルール以外にルールなんて作りようがないはずです。
対応としては徹底的なヒアリングと個別対応。報・連・相の徹底。
前の誰々の時はこうだった、とか関係ありません。
わからない以上今のタイミングで微陽性なら大丈夫、って結論を出すことも、微陽性でもダメって結論を出すこともしないのが得策な気がします。
ざっくりいうと、悪いけどまだわかんないからその場しのぎで対応するね。もう少し見えてきたら方針作るよ。です。
ただ、こういったことを実現するのが難しいのが”世論”です。
感染リスクゼロ派からすると、そもそもこんな時にスポーツなんてけしからん!という発想ですから、その場しのぎでの対応は間違いなく叩かれてしまうでしょう。
さらに、今日ご紹介した記事でもそういった論調でしたが、陽性反応=管理不行き届き。そろそろこの発想やめません?
みんな自分のできる範囲で感染防止対策しているし、言った本人も今検査したら陽性反応出るかもしれないんですよ?
その論調は、非常に言葉は悪いですが、社会的いじめです。
誰が悪いとかそういった話ではなく、感染防止対策はみんなする、みんなするけど感染者が出ることもある。完全にゼロは無理。
これが事実です。
確かに目に見えないし恐怖感があるのはわかりますが、陽性反応や感染者が全部管理不行き届きというこの空気感は絶対良くないし、陽性反応者が出た=ダメ、っていう発想も違うと思います。
これからしばらくは感染防止と経済と自由と、3つのバランスを取れる場所を見つけ続ける長い道のりなわけです。
誰も感染も重症化もしてほしくないし、経済活動は制限されたくないし、みんな自由に出かけたり集まりたい!っていうのが本来の理想なわけです。
本当はどれも欠けてほしくない。けど、どうやらそういう訳にも行かない。
であれば、各団体やチーム、個人が考えて出した結論はみんなで尊重し合える社会だったらいいなって思います。
考え方は違って当然だし、わからないことが多すぎる以上誰も正しくないし、全員正しいんです。
だからみんなが、あっちじゃないこっちじゃないと様子を見ながらフラフラするしかない。今必要なのは明確なルールより、明確にしないというルールです。
僕はそれでも、野球が見たいなぁー。無観客の乾いたバットの音が堪らない今日この頃。