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あの頃憧れたプロ野球のスターは、いつもテレビの中にいた。

昨日、緊急事態宣言が解除となりこのブログでも書いたようにプロ野球の開幕日程が早くも決定いたしました!紅白試合をすでにスタートするなど、各球団はこれから急ピッチでの調整をし、開幕に備える形となります。


さて、そんな中当面無観客での試合となるプロ野球について、今年は民放各局で中継が予定されているようです!

日テレ、開幕カードGT3連戦なら地上波生中継検討
出典:サンケイスポーツ

これは、嬉しいニュースの反面、今後の野球、あるいはスポーツ界というものを占う事柄になりそうです。

そもそも約10~15年前まで、巨人戦はほぼ毎日テレビでの中継がされていて、21時までの放送時間をほぼ試合の延長に合わせてズラしていました。
21時というのはまさにゴールデンタイムですからその後の番組は人気ドラマなどの非常に力を入れたコンテンツです。
つまり、ある時までは 人気ドラマ<野球 という図式が成り立っていたわけです。

しかし、現在ではほとんど中継はされていません。そこには外的要因も内的要因もたくさんあると思います。中継のマンネリ化、試合時間の長さ、録画機能が一般化されて以降は、予約録画したドラマが野球の延長で録れていない!なんて苦情もあったそう。

放送時間の延長が上限なしから1時間へ、1時間から30分へ、30分から延長なしへと移り変わっていき、それと同時にテレビでの中継はどんどん減っていきました。

最初は、ドラマがズレたことへのクレームかもしれませんが、家でチャンネル争いをしている家族がよくいるように、かつての技術では野球を見たい人とドラマを見たい人の両方の希望を叶えることはできません。
ドラマファンに気を使って延長を短くすればするほど、野球ファンからすれば気に入りません。野球にしたって最後まで見られないのなら30分延長された所で大差ないわけです。ドラマは時間がズレる、野球は最後まで見れない。
そんな悪循環に陥った野球中継は方向転換せざるを得なかったわけです。

それ以降はCS,BSでの有料衛星放送及び現場(球場)の充実を図り、直接課金ビジネスへとモデルチェンジを行ってきました。テレビのようなある種情報を一方的に届ける媒体からCS,BSなどの参加型にしたり、球場での体験に価値を置き、見に来てもらうことで深いファンに確実に野球を届けることに成功。昨年は来場者数過去最大を記録する球団も続出、野球のエンタメ化が少しずつ進んできているなという状況でした。

そんな中今年のコロナウイルスは、その状況をまた根底から覆されてしまいました。すべての球団がここ数年をかけて何よりも大切にしてきた球場での体験ができない。この痛手は相当なものです。

ここで、選択肢としては大きく2つあると思うんです。一つは、球場に来てくれていたようなコアなファンにオンラインで有料コンテンツとして届ける。そしてもう一つは、マスのメディアを通じて、ある種垂れ流しになってもいいから、広く届ける。

一般の会社であれば間違いなく前者を選ぶでしょう。僕が経営者でもそちらを取ります。事情を分かってそれでもオンラインの中継や情報配信に対して課金してくれる顧客に対して価値を提供した方が圧倒的に効率がいいはずです。

でも、”プロ野球”はそれではダメなんですよね。プロ野球はやっぱり日本のプロスポーツにおけるトップだし、プロ野球がスポーツ界を引っ張っていくんだ!っていう責任があるんです。

つまり、時代に合っていなかろうが、有料課金が少なくなろうが、一人でも多くの方に野球を届けなければならない!それがプロ野球なんだなって改めて思いました。

IT化が進み、すべての業界が今回の新型コロナウイルスでその歩みを強制的に早足にさせられました。それでも、昭和の時代を支えてきたプロ野球は、ここでネット限定になってはいけないんだ!そんな思いがあるように感じます。

メディアとしての影響力も今ではネットの方が遥かに大きなエネルギーをもっていますが、情報の深さではなく、どちらが広く届くかといえばまだまだテレビなんですよね。

このタイミングでCS,BSやネットから地上波テレビへと時代を戻す改革をするのは恐らくスポーツくらいじゃないでしょうか?

近接な距離を取れない中では、ラブシーンなどがあるドラマの撮影もなかなか難しく、コンテンツも生み出しにくい部分もあるのかもしれません。
でも最初に言ったようにプロ野球中継は地上波でうまくいかなくなってきて今の形になってるわけです。
しかも今はずっと色んな事を我慢してきた分需要は上がっていますが同じように期待値も上がっているわけです。

決して濃いファンではない視聴者がたくさんいる地上波の中継で、期待値も需要も高まっている状況の中、プロ野球はまたテレビ界の中心に戻るのか、

それともコロナウイルス期間だけの一時的な需要なのか、はたまた期待値を上回る中継コンテンツが提供できず、テレビの視聴者離れを加速させるのか。
自分がその立場だったら気が気じゃないですが、視聴者としてはどう転んでも面白いなって、変なワクワクを覚えています。

これでまた野球のテレビ中継が覇権を握るようなことがあれば、その時は野球界だけではなく、スポーツ界だけでなく、希望になると思います。

地上波のテレビはオワコンだ。なんて言われてしまうこともある中で、いわば逆輸入の形でテレビに戻ってきて成功した例はまだないですから、そういう意味でも今年のプロ野球には期待したいなって思います!


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