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Zapierで無くすアサインお見合い〜タスクのアサイン自動化〜

🎄これは「Ubie Engineers & Designers Advent Calendar 2022」20日目の記事です🎄

こんにちは、Ubie Discoveryでプロダクトデザイナーをしている永尾(@masashin)です。最近は、プロダクトのUXライティングや会社横断的なデザインタスクのアサインプロセス最適化にも取り組んでいます。

いわゆる事業会社でデザイナーしていると、メインの仕事の合間に会社横断的なデザイン依頼を捌くことは珍しくありません。Ubieでも似たような状況があります。事業が拡大するにつれ、その機会は増えています。一つひとつのタスクは軽めですが、どれも会社を運営していく上で必要なものです。それらを取りこぼさないよう、複数のデザイナーで効率的に分担する方法を模索中です。

今日は、アサインの分担をZapierで自動化した例を紹介します。この記事が、少しでもルーチンワークを効率化したい方の参考になれば幸いです。

Zapierhttps://zapier.com/
プログラムの知識がなくても、Google/Slack/Atlassianなどのプラットフォーム同士を連携・接続させることで、ルーチンワークや単純作業を効率化できるサービス。

メインの仕事ではないタスクがこぼれがち問題

一般的に、アサインの割り振りはマネージャーが担うことが多いと思います。しかし、ホラクラシー組織を採用しているUbie Discoveryにはマネージャーがいません。デザインマネージャーも然りです。そこで、Ubie Discoveryのデザインチームでは、全社からデザイン相談を受ける専用のSlackチャンネルを設け、複数のデザイナーで分担して対応しています。

皆がメインの仕事で忙しくなったある時期、デザイン相談の担当が決まらないままお見合い状態になったことがありました。

当時の仕組みは次の通りです。

  1. Slackのデザイン相談チャンネルから依頼チケット(JIRA)が起票される。

  2. デザイナー全員が入ったグループメンション @designers を付けて、依頼が来たことを知らせる。

  3. (デザイナーが拾うのを待つ。)

グループメンションにより依頼が来たことに気づけますが、担当者が曖昧でした。「仕掛かり中のタスクがひと段落したら反応しよう…」「いま手が離せないから他の誰か拾ってくれ〜」などと思っていると、いつの間にか忘れてしまっていたことが自分にもあります。

これを解決するために、Slackbotでアサインガチャを発動させることで担当者を明確にしました。しかし、今度はガチャを発動させるタスクを拾う人が固定化する問題が発生しました。相談がきたらガチャを発動させるだけのために担当者を立てるのは、流石にナンセンスです。

マネージャーがいる/いないに関わらず、横断的なデザイン相談を捌く最適なプロセスは必要です。でも、無駄に人的なリソースを割きたくない。テクノロジーで自動化したい。できればコードは書かずに…。

たまたま会社で契約済みのZapierアカウントがあったので、これを使ってることにしました。

Zapierを使えば複雑なワークフローもノーコードで自動化できる

運用を始めて半年弱ですが、Zapierを使って次のような流れを自動化しています。

  1. Slackのデザイン相談チャンネルから依頼チケット(JIRA)が起票される。

  2. 起票を検知して、複数のデザイナーの中からランダムで担当者を決める。

  3. 2.で決まった人をJIRAチケットの担当者に反映する。

  4. 1.のSlackチャンネルで担当者をメンションし、アサインの決定を知らせる。〜起票されたJIRAチケットを添えて〜

実際のZapier上のワークフロー(Zap)はもう少し複雑です。次に各ステップの説明をします。

Zapierで設定したワークフローの全体図

1. 起票を検知

UbieではJIRAを使ったタスク管理がメジャーなので「Jira Software Cloud」アプリを使います。「HelpDesign」プロジェクトに新しいチケットが起票されたことをトリガーに、このワークフローが走るようにしています。

起票を検知するためにJira Software CloudアプリのNew Issueの設定

2. 担当デザイナーをランダムで決める

「Formatter by Zapier」アプリを使い、デザイナーのリストからランダムで1名をピックアップします。最後のステップで担当者をメンションしたいので、Slack IDを並べたリストを作りました。

Formatter by Zapierアプリの設定

3. 担当デザイナーのSlack IDとGアカウント紐付け

再び「Formatter by Zapier」アプリを使い、2.でピックアップされたSlack IDから会社のメールアドレスを参照できるようにします。後のフローで必要になります。

Formatter by Zapierアプリの設定

4. 担当デザイナーのJIRAアカウントを特定

JIRAのアカウントは、会社のメールアドレスで登録されています。ここで再び「Jira Software Cloud」アプリの「Find User」を使います。3.で参照したメールアドレスから、担当デザイナーのJIRAアカウントを特定できます。

起票を検知するためにJira Software CloudアプリのFind Userの設定

5. JIRAの担当者を更新

1.で起票されたチケットは担当者が空のままです。4.で特定した担当デザイナーをチケットにアサインするために、「Jira Software Cloud」アプリの「Update Issue」を使います。

「Jira Software Cloud」アプリの「Update Issue」の設定

6. デザイン相談チャンネルに通知

最後に、デザイン相談チャンネルで担当デザイナーをメンションし、アサインが決まったことを知らせます。これを「Slack」アプリで設定します。

Slackアプリの設定

以上のようなワークフローにより、こぼれたタスクを拾いに行く作業がなくなり、デザイナーの集中力が途切れる原因を減らすことができました。しかし、まだ問題は残っています。

アサインの偏り問題

アサインガチャはランダムなので、ある一定の期間を切り取るとアサインが偏ってしまうことがあります。実際、メンバーごとに担当したJIRAチケット数を振り返ると、均等にはなっていませんでした。

アサインをパスしづらい問題

やむを得ない事情で、担当を変わってもらいたいときがあります。みんなが忙しそうな時期だと特にパスしづらいという声も出てきました。デザイナーが集まる定例会議で、このような状態のタスクがないかチェックしていはいますが、週イチだと対応が遅くなります。

これらの問題を解決するために、今はアサインのローテーション化や、カジュアルなアサインチェンジの仕組みを検討中です。
ちなみに、Zapierにこだわっているわけではないので、もっと良いツールやソリューションをご存じの方がいましたら、ぜひ教えてください。

ルーチンワークを無くし、Discoveryに専念する組織

Ubie Discoveryはその名の通り、探索や新しい事業の創出に重きを置く組織です。ピープルマネジメントから解放され、コトに向かい続けられるのも魅力のひとつです。組織が拡大しても、性善説をもとに自立した組織運営を模索していきたいです。

こんな組織に興味がある方、ぜひカジュアル面談にご応募ください!


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