藤田嗣治《哈爾哈河畔之戦闘》と戦車道路
偶然「戦車道路」と美術がつながるエピソードを見つけたのでメモしておく。
山田五郎さんがYouTubeの中で
藤田嗣治《哈爾哈河畔之戦闘》(1941)
を取り上げている。
https://youtu.be/7mf5m7MarUw
(※21:00頃から言及)
この作品は1939(昭和14)年のノモンハン事件を題材にしたものだ。
ノモンハンは当時満州とモンゴルの国境で、それらニ国の背後で日本とソ連が睨み合う何もない場所だった。
突発的に戦闘を開始した歩兵中心の日本軍はソ連軍の戦車部隊に対し惨敗。
その敗戦の責任を取る形で退役した荻洲立兵中将が藤田嗣治に戦争記録画を依頼し、《哈爾哈河畔之戦闘》が制作された。
そこにはソ連軍の戦車に対し日本軍の歩兵が生身で突っ込んで上から車内に手榴弾を入れるというブラックジョークとしか言いようがない作戦シーンが描かれている。
近美で何度も観たことのある絵画だが内容を全く分かっていなかった。
このノモンハン事件の惨敗も明らかに多摩丘陵南端の「戦車道路」の敷設に影響を与えたはずだ。
過去の事件や絵画が実は現在の身近な風景につながっている。やはり鑑賞において文脈は重要。
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【戦車道路についての記述はこちら↓】
相武デルタ探訪③ 戦車道路(現・尾根緑道)
https://note.com/masashikato/n/ncb50e6567610
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