調律
ピアノを調律してもらう。
元の持ち主があまり弾いていなかったようで、ほとんど傷んではいないが経年の劣化だけはあるようだった。いくつかの部品を取り替えてもらった。費用は14,950円税込。
うちにうまく弾ける人がいるわけではないのがわかっているので、どんな調子にしたいかみたいな質問は特になかった。されても答えようがないのだけれど、これから飽きずに弾けるように、素直な調子であればいいなと思う。
終わってみれば、素人の耳にも、変なビビリやうなりが少なくなってアクの抜けた、すっきりした音が出るようになったのがわかる。
この、どこにも電気じかけのない装置が、だからこそ長く使い続けられると言うのは面白いことだな。
調律といえば、「羊と鋼の森」という映画で、音を整えるために、グランドピアノのキャスターの向きを変えるというシーンがある。師匠のその様子をみて弟子が別の機会で真似するのだが、その意味がわからなくて、見終えてからちょっと調べた。ピアノの脚の爪先にはキャスターがあるのだが、車輪の接地点は脚の中心線から少しずれている。だから、キャスターの向きによって、梁に相当するピアノのスパンが変わり、ピアノ本体の撓み方が変わり、それで音が変わるのだという。そりゃ変形の仕方に違いはあるといえばあるのだろうけれども、それを意図的にコントロールするレベルの精度で音を聴くのかと驚いた。
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