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外資系・日系グローバル企業の魅力と特徴

■外資系企業という職場環境
外資系企業とはいうまでもなく海外に本社があり、日本にその拠点を置く企業です。ほとんどの場合、給与は年俸制で総額の1/12が毎月支払われますが、中には毎月1/16を支給し賞与月に2/16を2回支給するという企業もあります。もちろん残業代は別途出ますが、裁量労働制を導入しているケースもあり、その場合は支給されませんので事前の確認が不可欠です。

また日本の企業のように新卒や未経験者を採用して育成することはなく、誰もが即戦力として雇用されます。足りないスキルは基本的に自分で学ばなければなりませんが、最近は社外トレーニングなどの学習制度を整える外資系企業も増えてきました。

企業文化という点では大きく「米国系」と「欧米系」の2つに分かれます。「米国系」は完全なトップダウン型。業務の大半が個人の判断に委ねられますが、同時に短期間で結果を出すことも求められます。一方「欧米系」は上司と対等に話し合う機会を持つことができ、長期的なビジネスが多いのが特徴です。

■外資系企業で働く魅力とは
外資系企業で働く方にその魅力を伺うと、「スピード感」「個人の裁量の大きさ」「評価」、そして「ゆとり」という回答が多く返ってきます。まず「スピード感」で特筆されるのは決済の速さ。日本のような稟議がなく、たとえ本国の承認を必要とする案件でも、すぐにGOサインが出ます。さらに任せられた案件に関しては、ほぼすべてを個人の裁量で進めることができます。ただし時間管理、進捗管理、環境管理、体調管理、モチベーションの維持に至るまで、すべて自己責任。スピーディーに結果を出すことも求められます。

もちろん出した結果が正当に評価されるのも外資系ならでは。社歴や年齢などに一切関係なく、昇格・昇進も実力次第ですから、マネージャーが部下より若いというケースも一般的です。また業務が個人に任せられていますので、効率的に仕事を進めれば、まわりを気にすることなく早く退社することができます。さらにバカンスという文化が根付いているため長期休暇も多く、メリハリをつけ、ゆとりを持って働くことができます。

■こんな人なら外資系で活躍できる!
まず自ら手を挙げて新しいことに積極的に挑戦するタイプの人におすすめです。性別・年齢などに関係なくチャンスが与えられ、そこで成果を出せばさらに上の仕事・大きな仕事に携わることができます。ただし日本企業のようにOJTなどの丁寧な研修はありません。仕事に必要なスキル・知識を自分で学ぶという覚悟や姿勢も不可欠です。

またプライオリティとタイムマネジメントの能力も欠かせない要素です。時間をかけるべき業務とそうでない業務、いまやるべき作業と後回しでよい作業の優先順位をつけ、それぞれ期限を定めて進めていく。上司の承認が要らないものは自分でテキパキと判断する。効率的かつ合理的に仕事を遂行し、結果を出すことが求められます。

さらに臨機応変な対応力も必要です。例えば国によって法律や基準が異なり、人々の考え方やカルチャーにも違いがあります。トップの交代やM&Aによって急に方針や戦略が変わることも珍しくありません。こうした多様性や変化に順応する能力も重要な適性だといえるでしょう。

■失敗しない外資系への転職のために
一口に外資系といっても、そこには様々な企業が混在します。そこが本当に自分の望む環境なのか、実力を発揮できる職場なのか。転職を成功させるためには事前のリサーチが重要です。

例えば外資系の中には日本の諸事情を理解せず、本国のやり方を一方的に押し付ける企業もあります。組織づくりの中で日本の社員をなおざりにするため、非常に離職率が高い企業もあります。では日本の文化や商習慣をきちんと考え、日本に根付いている外資系企業をどう見分けるか。そのチェックポイントのいくつかをご紹介します。

まず日本で法人登記をし、長期かつ安定的に事業を行っているかどうか。
提供している商品やサービスが日本の市場にマッチし、受け入れられているかどうか。
これから日本に進出しようとする企業であれば、進出の背景・展望・ビジョン・市場性はどうか。
そのあたりが重要になってきます。また日本企業との合併で進出した外資系の中には、日本の古い文化が残っていたり、上層部がほとんど日本人だったりという企業もあり、思っていた裁量や評価を得られないこともあります。まずはネットなどでできる限り情報を収集し、面接でしっかり質問することが失敗しない転職の第一歩です。

■関西の外資系企業
関西の市場規模は世界16位のオランダに相当します。国際フライトネットワークや国際物流インフラも充実し、主要都市ヘのアクセスも抜群。学研都市・学術都市も多く、企業や大学の研究機関の集積も見られます。そんな恵まれた環境であるにも関わらず、首都圏に比べてオフィス賃料が安く、特に化学・医療・製造などの大手が長年、拠点を置いています。また東日本大震災後に拠点の一部を関西に移した企業も少なくありません。

国別では米国、ドイツ、中国、韓国のベスト4で50%以上占め、以下イギリス、イタリア、フランス、オランダと続きます。アジア系企業が約26%と多く、全国平均の18%を上回っているのが特徴のひとつです。業種別では製造業(機械・機器・化学・医薬・電気機器など)が約40%にのぼり、こちらも全国平均の22%を大幅に超えています。

また新たな外資系企業の誘致のため、官民一体となり様々な施策を打ち出しているのも関西の強み。さらに2025年の大阪万博に向け、世界の企業の関西進出が加速することも予想されます。つまり「関西で外資系企業に転職するチャンス」が、ますます広がるというわけです。

■女性にとっての外資系企業
欧米では古くから男女平等の考えが根付いていて、社会の中でもそれが実践されています。米国や欧州では、女性が結婚・出産というライフイベントを経て、さらに育児と両立しながらキャリアを磨き続けることは当たり前。もちろん日本に進出している外資系企業にも、そうした文化が継承されています。だから「出産や子育てを理由にキャリアを諦めたくない」「育児休業後もリーダーや管理職として活躍したい」という方には最適な環境だといえるでしょう。

確かに日本でも産休・育休を推奨する企業が増えてきました。さすがに「寿退社」といった言葉は聞かなくなりましたが、「産休前と同じ役職での復職は難しい」「産休明けからは時短勤務の契約社員にされた」というケースは、まだあるようです。その点、外資系ではフレックスタイム制や在宅ワークが認められていることが多く、働き方の自由度は高いといえます。

また、実際に復職後もリーダーとして活躍し続けている女性が数多くいます。ただし目標や裁量が個人に委ねられる環境ですから「自由」も「ポスト」も実績次第。もちろんこれは、男性も同様です。

■日系グローバル企業も採用を強化中
国内の消費低迷や円高傾向を背景に、日系企業の海外進出や海外企業の買収が活発化しています。その影響で、これまで海外との接点がなかった企業やサービス業にまでグローバル化の流れが波及。「海外事業に携わる人材」の募集も増えています。

こうした「日系グローバル企業」は従来、外資系出身者を避ける傾向にあるといわれてきました。企業文化や商習慣の違いが業務にも影響するので、日本企業での経験がないと…という求人が多かったのです。しかし最近は出身企業を問わず、「海外での販路の拡大」「現地従業員のマネジメント」など海外業務の経験者を広く求めるようになってきました。

日系グローバル企業の中には、まだ古い体質が残っている場合もあります。外資系に比べてチームワークが重視されたり、部署間・部門間の調整に時間がかかったりということも少なくありません。しかし海外業務経験のある方なら、海外拠点の重要ポストに就くチャンスも豊富。何より、日本のビジネスを世界に広げ、日本経済の発展のために働けるという魅力があります。そこに喜びを見いだせる方なら、外資系よりも日系グローバル企業に向いているかもしれません。

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