経営における重要な意思決定について_オランダ法人をホールディングス化する方針だった。

当初はオランダ法人と日本法人の親子関係を入れ替えて、オランダ法人をホールディングスにする予定だった。理由は長期的な戦略上の理由と、自身の決意表明のようなものだった。

まずTYPICAは2030年までに世界一のダイレクトトレードマーケットをつくることを目標の1つとしている。世界で最も高品質でユニークなコーヒーが流通するプラットフォーム(世界のコーヒー原材料の10%が売買)をつくることが、メンバー全員と共有している目標だ。

従って、この目標達成から逆算し、ホールディングスの本店所在地をどこにするのか、今のうちからベストな意思決定をしておく必要がある。

想定されるプロセスを熟知する各専門家のアドバイスを受けた上で、その時点での僕が見えていた世界では、ホールディングスが日本法人であることによる様々な障壁だった。

加えて、冒頭にも触れた自らの決意表明としても、オランダ法人を持株会社、日本法人を事業会社にする方針が、役員間でほぼ決定している状態だった。

おそらくロイバスカーの弁証法を学ぶ前の自分であれば、2ヶ月間も検討に検討を重ねた結果として、そのまま意思決定し、オランダ法人をホールディングスとしていたのかもしれない。仮にその意思決定であっても、2030年のゴールには辿り着けると今でも思っている。

しかし、僕はバスカーによって、正・反・合を超えた、転の次元を発見したことに加えて、この1年のコロナ禍で老師や同志と実践しているの研究プロセスにおいて、ナーガールジュナ(龍樹)のテトラレンマという概念と出会い、あらゆることを全肯定的に内包する自己の意識が養われつつある今、自らがまことで行えばどんな壁があろうとゴールに辿り着くことは当然として、辿り着くプロセスまで含めた全てをより美しく大切に育むことで、志が再生産される可能性の種を、1つでも生産する自己と組織でありたいという思いを強く持っている。

だからこそ、まだ決議まで時間の余裕がある以上、改めて問い続けたのだ。自分が、仲間が、関わる全ての人々が、一体どんなプロセスを歩みたいのかを。

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