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白票についての考察

選挙のたびにちょっとだけ話題になる「白票」についての解説と考察。

白票は意味がないって言ってる人と、白票でも投票しようと言ってる人の両方がいて、どっちが正しいのか?
右も左も関係なく肯定的、批判的な発言をする人の思考や狙いなど、最終的かつ不可逆的な分かりやすい解説をさせていただきます。



1、白票とは

まず白票とは、投票用紙になにも書かずに投票箱に入れられた票のことです。
他に無効票(立候補者または政党以外の名前を書いたもの)もあります。

白票を入れると、どの候補者の当選にも影響を及ぼしません。
ただし得票率・投票率には加算されます。
これが投票破棄(投票に行かない)と、白票との大きな違いです。

白票は無意味派の人は、当選者に影響が出ないことを指して「意味がない」と言っており、それは間違ってはいないのですが、
白票でも投票しよう派の人は、得票率・投票率には影響が出ることを指して「意味がある」と言っており、こちらも間違ってはいません。


2、白票を若者が投じると・・・の矛盾点

「白票を若者が投じると」と言う内容のツイートがまれに有りますが前提が間違っています。

そもそも誰が白票を入れたか調べるすべはありません。

高齢者が白票を投票している可能性も十分にあり得ます。

白票=若者というのは思い込みであり、ミスリードです。

3、白票は与党に入れるのと同じ?

与党か、野党か、白票か、という三択であれば白票=与党というのは当たり前のことで「計算ができる人ならわかると思いますが・・・」とかマウントを取るほどの物ではありません。

例えば7人で一つの大皿料理を注文するとして、ビーフ派が3人、フィッシュ派が2人、残りの2人がどちらでもいいならビーフになりますよね。

与党は数が多いから与党な訳であって、野党は数が少ないから野党な訳です。
なので白票は与党(多数決の多い方)に入れるのと同じというのは計算が出来ない人でもわかるロジックです。

ちなみに白票ではなく投票破棄でも同じことが言えます。

先程と同じ状況でビーフ派が3人、フィッシュ派が2人、ただし5人で注文するのであれば当然ビーフになります。
ただし、ビーフを注文するのは変わらないが7人で食べるのか、5人で食べるのか、大きな違いになります。

例えが分かりずらかったかもしれませんが、結論として「白票は与党に入れるの
と同じ」というのは言葉足らずで、正確には「白票と投票破棄は与党に入れるのと同じ」と言うことになります。

4、白票に批判的な人の思考回路

白票と投票破棄は候補者の得票数に影響を与えないので当選結果を変えることは出来ません。
つまり、白票は無意味派の人は野党を応援している人になります。
なぜか?

野党を応戦している人は白票が増えても勝てないからです。
野党が与党に勝つには、与党から票を引っ張ってくるか、投票してない人が野党に票を入れて貰うしか方法がありません。
なので白票では意味が無いんです。

良くあるケースで「白票で入れるくらいなら少しでも調べて投票すれば・・・」的な事を無責任に言う人がいますが、調べた結果が白票、または調べるのが面倒・大変だから白票を入れているので、
白票を入れる人たちの気持ちに全く寄り添えていません。

5、白票に肯定的な人の思考回路

逆に白票でも投票しようと訴えてる人は、白票でも当選者に影響が出ない与党支持者か、または得票率・投票率の重要性を知っている人です。

現在の投票率の低い理由に
・どこに投票したら良いかわからない。
・投票したい人がいない。
がありますが、白票だとそれが解消されます。

白票を容認している人は「白票を増やす」のが目的ではなく「投票破棄するくらいなら白票でも良いので投票しましょう」というきっかけを呼び掛けているしているに過ぎません

6、結論

「誰を当選させるか」は大事ですが「誰が投票したか」も十分に重要なんです。

極端な例えですが、選挙権を持ってい若者全員が何も考えずに全員が白票で投票したとして、当選者は変わらずとも必ず若者向けの政策が充実されます。

得票数を狙う立候補者は、高齢者の投票率が高ければ高齢者向けの政策を充実させ、逆に若者の投票率が高くなれば若者向けの政策を充実させていくことになります。

7 高齢者の方が数が多いから

年代別で高齢者の方が人数が多いので若者は不利、というのもよく聞きますが、
候補者の気持ちになってみて下さい。
新たに支持を得るために行動するのであれば、何度も投票する機会がある若者の支持の得るほうが、長く議員活動をできるでしょう。
今の国会議員が高齢ばかりなのは、若いときに若い方から支持されて、そのまま一緒に歳を取っているからです。
現在は若者が若者向けの政策で立候補しても
若者が投票しないので落選してるだけです。

しかも若者の数が少ないと言うことは、僅かな量でも増えれば投票率に直結すると言うことです。
こんなプレミアを付けてくれてるのに投票しないのは勿体ない。

なので若い人たちには投票破棄ではなく、誰でも(白票でも)良いので投票にいきましょう。と訴えているわけです。
また白票でも投票する習慣をつけていけば、いざ政治や政党に興味が沸いたときに「投票に行く」と言うハードルも低くなります。

8、考察。選挙によって、白票の意味が変わってくる

首長選挙(都道府県知事、市区町村長)だと白票も大きな意味を持っており、当選者が一人だけなのでどのくらいの得票数で勝利したかが重要となります。

例えば、2020年の都知事選挙は小池百合子氏が60%近くの得票率でダントツでした。

いわゆる、他の21人の候補者+白票を合わせても小池氏一人にかなわなかったということです。

つまり、死に票が殆ど無いわけですから小池氏は他の候補者の政策無視で独裁運営が可能になります。

これが票が割れてギリギリで勝利したとなれば、半数以上の死に票を無駄にしないためにも落選した候補者の得票数分配慮した政策を行わないといけないことになります。

今の「小池無双」を許したのは他ならぬ投票破棄した人々ということですからね。

ということで、誰が当選するかわかりきっている選挙でも白票で投票する意味は十分にあるということです。

また地区によっては選択肢が極端に少ないエリアもあり、例えば神奈川のセクシーな世襲議員が連続当選している選挙区では自民党と共産党しか立候補しておらず、80%の得票率で当選しています。

ここで消極的自民党支持者と投票破棄者が白票に投票し、得票率を下げることが出来れば第三勢力が出馬してくる可能性が出てきます。

とはいえ現在の白票は5%ほどなので、実際はほとんど無視されている状況です。

9、余談的なもの

投票率を上げるのにネット投票が話題になってますが、個人的には反対です。
投票は本人の意思を尊重すべきで、例えば所属団体がある候補を応援しているが、個人としては別の候補に投票したい場合。
投票所では機密性が保たれるため誰に入れたか知られることはありませんが、
ネット投票解禁になると、団体内で監視されながら投票を強制される可能性があります。
郵便投票も同じ理由で反対です。

以上、言いたいことをツラツラ書かせて頂きました。

もちろん理想は皆が支持政党に投票出来ればそれが一番いいのですが、分からない人(かく言う私も20代の頃は誰に投票すれば良いか分からず投票破棄してました)はその一歩として白票投票で構わないので投票の権利を行使していただきたいと思います。

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