仏教に学ぶ生き方、考え方「生産と消費」(布施の視点から)
「生産と消費」(布施の視点から)
12月になり歳末セールがあちこちで始まっています。これからボーナスが出て冬休みが始まり、クリスマスや年末年始などの行事が目白押しのこの時期が、実は一番売上が伸びるそうで消費活動が盛んになるとされています。ほとんどセールというものに出かけず、一日の流れが一定の私にはそんな実感はほとんどないですが、、、。
今年はコロナの影響からか様々なモノの値段が高騰しています。ガソリン然り、原材料の値段も然り。それらがじわじわと価格を押し上げて、消費が増えるこの時期は価格上昇もあるようです。でも日本の経済を支えるには消費も大切なことだと思いますので、それはそれで必要なことではあります。
それはさておき、自分の行動を振り返ると、大きく消費と生産という2つの活動に分けられます。仕事は生産活動ですし、昼ごはんを食べることは消費活動、そして週末のレジャーは消費活動だけど、それを支える人は生産活動を行っています。ハンバーガーショップでコーヒーを飲むのは消費活動だけど、そこでこの原稿を書いているのは生産活動、そう考えると自分は生産と消費を一緒にしていることもあります。
今やっていることが生産か消費かと意識してみると、やはり何かを生産する立場にいたいという気持ちが湧いてきます。誰かの役に立ったり、誰かに喜んでもらう活動をしたいと。
仏教でいうところの布施(ふせ)とは実はこんな気持ちをもつことではないでしょうか?そう考えると困っている人がいたら声をかける、話したい人の話をじっくりと聞く、優しい眼差しで人に接する、これらは言施、心施、眼施といって、物やお金を必要としません。でも誰かにとって役立つことならば、それは生産活動なのです。そして一日が終わるとき、こんなふうにたくさんの生産をしたなって思えることは幸せな気分にさせてくれます。
こういうふうに考えると、世の中がちょっと違って見えてきますよね。お金をかけなくても、物を作らなくてもできる心を生産する行いを積み上げていければ、それこそが幸せなのだと感じています。
☆今日の一句☆
生み出そう
心の豊かさ
布施しよう